デジタルが進む昨今、業務中に"何か"を探している時間は意外に多い。社内稟議の手続き上の資料や経費手続き上の細則、社内規則や営業資料作成のための過去データ、会議室を予約するための手続き、イントラで利用するデジタルツールのマニュアルに原価率を計算するための資料と果てしない。社内データをイントラネットで"検索"する窓があったかと思えば、果たして自分は何を検索したのか?と自我喪失する検索結果で途方に暮れた経験はないだろうか。この時間はもちろん業務や職種によりけりだが、1日30分あたりだとすれば100人で年間5,000万円のコストになるという試算もあるそうだ。
住友電工情報システムは、AIで日本語の"意味"を理解した検索ができる全文検索機能"セマンティック検索"を搭載した全文検索・情報活用システム「QuickSolution 11」を9月3日より販売することを発表した。自社開発のエンジンは、AIを活用し検索文と検索対象データのそれぞれの主語、述語、目的語、修飾語を理解させ検索結果の上位表示を行える。
同社では"日本の消費者を守る法律"という文で例示しているが、"消費者を守る"という構文をAIが理解するため、"日本の法律を守る消費者"のように"法律を守る消費者"と意味の異なる構文は検索結果の上位に表示されなくなるほか、肯定/否定表現の理解、動詞の同義語検索など日本語に適した優先検索を実現する。また、検索にヒットした文周辺に頻出する表現を"関連する表現"として表示させるなど、目的のデータへの効率的なアクセスを"気付き支援"として実装している。
社内検索、ECサイトや製品へ組み込みなど累計で2900サーバ以上での稼働実績を誇るシステムは1サーバで50TB、約1億2千万ファイルの検索が可能で分散処理でスケールアップに対応できるが、10GB程度のファイルサーバ特定フォルダからの活用実績も多く、組織の部門ごとにニーズにも対応できる。同社では、今後もますます需要が見込まれるエンタープライズサーチ市場において「AIで『探し方』改革!」をキーワードに時代に製品開発に取り組んでいくことを述べている。