8月18日、浅草橋ヒューリックホールにて、『ぷよぷよ』のeスポーツイベント、「ぷよぷよカップ」と「ぷよぷよチャンピオンシップ」が開催された。

『ぷよぷよ』は1991年に第1作目がリリースされ、現在まで高い人気を誇る落ち物パズルゲーム。「ぷよ」と呼ばれるブロックを積み重ね、同色のぷよを4つ以上接続させると消滅する。積み方によっては消滅の連鎖が行われ、連鎖数やぷよを消滅させた数によって、相手におじゃまぷよ(透明のぷよで、隣接するぷよを消滅させることで消すことができる妨害専用のぷよ)を送り、攻撃をすることができる。ぷよが最上段まで積み上がり、これ以上ぷよを消すことができない状態になると負けというルールだ。

「ぷよぷよカップ」と「ぷよぷよチャンピオンシップ」

『ぷよぷよ』シリーズは、パズルゲームの中でも歴史が古く、対戦競技としての完成度も高いため、20年以上前から全国規模で大会が行われているタイトル。「ぷよぷよカップ」はプロアマ問わず、参加資格を満たしたプレイヤー全員が参加でき、一般参加選手がベスト4まで勝ち上がれば、日本eスポーツ連合(JeSU)公認のプロライセンスが付与されるイベントだ。また、年度ごとのランキング制度の対象大会でもあるため、プロにとっても重要な位置づけになっている。

かたや「ぷよぷよチャンピオンシップ」はJeSU公認のプロライセンスを取得したプロのみのトーナメント大会で、2カ月に1回のペースで開催されている。大会ごとに賞金が設定されているだけでなく、ぷよぷよカップと同様に年間ランキングのポイント対象となるので、年間プロツアーの順位を決定する重要な大会でもある。

新たなプロ選手が誕生

ぷよぷよカップとぷよぷよチャンピオンシップは、4月から開催されており、8月大会は今年3回目である。ぷよぷよカップでは、古くから名実ともにぷよぷよの実力者として名高いselva選手が唯一プロ以外の枠でベスト4に進出し、プロライセンスの資格を獲得。決勝戦まで進んだものの、プロ選手のマッキー選手に敗れ、惜しくも準優勝となった。

ぷよぷよカップは、プロ選手が参戦していることで、プロラインセンス取得枠であるベスト4に入るためには、プロ選手と同等の実力を持っていないと難しい。大会ごとに最大4人のプロ選手が生まれる可能性がありながらも、今後1人も増えない大会が出てくることは火を見るより明らかだ。

selva選手(写真右)は、決勝戦でプロ選手であるマッキー選手(写真左)に敗れたものの、ベスト4以上の成績を収めたことでプロライセンスの資格を取得

手に汗握る激戦が繰り広げられたぷよぷよチャンピオンシップ

ぷよぷよカップが閉幕したと同時に、ぷよぷよチャンピオンシップがスタート。プロライセンスを取得したばかりのselva選手も即参戦し、8月大会は、17人のプロ選手によるトーナメントで行われた。どの選手もプロを名乗るのにふさわしい実力をもっており、戦い方によっては誰が優勝してもおかしくない。

大会の様子は動画で配信され、兵庫県尼崎では、「MOVIXあまがさき」でパブリックビューイングも行われた。動画配信、大会進行の司会を務めるのは椿彩奈さん。実況はフリーアナウンサーの斎藤寿幸氏が担当した。ぷよぷよの実況は今回が初めてとのことだ
ゲストには元アイドリング!!!の橘ゆりかさんが登場。現在プロ選手のくまちょむ選手に手ほどきを受けており、ぷよの選手を目指して特訓中だ

ベスト4まで進出したのは、前評判が高いマッキー選手、ぷよぷよカップのでの快進撃の勢いそのままに勝ち進んだselva選手、テトリスルールでは絶対的な強さを誇り、ぷよぷよでも実力をつけてきたあめみやたいよう選手、そしてぷよぷよ歴24年とレジェンドの域に達するKamestry選手の4人だ。

Aブロックの準決勝を勝ち上がったマッキー選手(写真左)とselva選手(写真右)
Bブロックの準決勝を勝ち上がったあめみやたいよう選手(写真左)とKamestry選手(写真右)

準決勝Aブロックではマッキー選手対selva選手と、ぷよぷよカップの決勝と同じ組み合わせになったが、ぷよぷよカップの雪辱を果たす形でselva選手が勝利をもぎ取った。Bブロックでは守りが得意なKamestry選手が、あめみやたいよう選手の攻撃をしのぎきり勝利した。

決勝戦はKamestry選手の攻守バランスの取れた試合運びで一方的な展開となり、勢いにのるselva選手を下し、Kamestry選手が優勝を決めた。

なお、4月大会では、同じくベテランのくまちょむ選手が優勝し、6月大会ではぷよぷよ歴5年の若手マッキー選手が優勝。そして8月大会ではKamestry選手と、まさに新鋭、古豪が一歩も譲らぬ展開でぷよぷよチャンピオンシップは進んでいる。

8月大会を制したKamestry選手

また、ぷよぷよのプロライセンス保持者19人中、女性プロ選手は2名。8月大会ではどちらも初戦を勝ち抜いており、ぷよぷよが年齢だけでなく性別も問わず活躍できることを示しているのも興味深いところだ。

日本初の女性パズルプロゲーマーのtema選手。EVO 2018ではコテンパンに負けたlive選手を倒し、2回戦に進出した
前回大会では4位入賞を果たし、実力をしめした「女王」の異名を持つ、めいせつ選手

次回は東京ゲームショウ2018にて、優勝賞金100万円のぷよぷよチャンピオンシップの特別大会が開催する予定だ。ぷよぷよカップはこれまで通り2カ月後の10月に開催予定なので、参加希望の人は公式サイト「ぷよキャン」をチェックしておこう。

ぷよぷよeスポーツ大会 2018年度のスケジュール。来月は通常休みの奇数月ながら東京ゲームショウで特別大会が開催される

【ぷよぷよチャンピオンシップ2018年度8月大会生中継】

(岡安学)