三菱電機は8月21日、新4K衛星放送対応の4K録画テレビ「REAL RA1000シリーズ」3機種を発表しました。発売時期は10月で、価格はオープンです。REALシリーズを開発・製造する、同社京都製作所での説明会の様子を写真中心に紹介します。

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    「REAL RA1000シリーズ」。左から40V型のLCD-A40RA1000、50V型のLCD-A50RA1000、58V型のLCD-A58RA1000

4K番組も裏録できるのは三菱だけ

三菱電機が京都の長岡京市に京都製作所を発足したのは1962年のこと。翌々年の1964年に開催する東京オリンピックに向けて、電機メーカー各社がカラーテレビの開発・販売を始めたばかりの頃でした。

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    三菱電機の京都製作所 先端技術総合研究所。ここで三菱電機の4Kテレビを開発・製造しています

京都製作所では、発足当初からブラウン管カラーテレビの生産を行い、1985年には業界初の37形カラーテレビを発売。2004年に業界初の37V型クラスにおけるフルハイビジョン液晶テレビとして「REAL」ブランドが誕生しました。

2009年には世界で初めて液晶テレビとHDD、ブルーレイディスクレコーダーを一体にした「オールインワン録画テレビ」を販売するなど、革新的な製品の開発を続け、液晶テレビ以外でもレーザーテレビ、プロジェクター、ディスプレイウォール、ブルーレイディスクレコーダー、業務用プリンター、HEMS、パワーコンディショナーなどの開発と製造も行っています。

そんな三菱電機の京都製作所が送り出す2019年モデルの4K対応液晶テレビ「REAL」の「RA1000シリーズ」は、新4K衛星放送チューナーを内蔵し、4K番組の視聴から録画、再生まで1台で完結する製品です。

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    58型のLCD-A58RA1000

4Kチューナーを2基、ハイビジョンのチューナーを3基搭載し、それぞれ1基は視聴専用となります。裏番組の録画は、新4K衛星放送なら1番組、ハイビジョン放送なら同時に2番組が可能。三菱電機は「4K番組も裏録できるのは三菱だけ」を訴求していくとのこと。

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    RA1000シリーズ最大の特徴は、新4K衛星放送チューナーと録画用HDDを内蔵し、チューナーやレコーダーなしで4K番組を録画できます

お母さんユーザーを意識した操作のしやすさ、掃除のしやすさ

新4K衛星放送チューナーを搭載するRA1000シリーズの利点は、新4K衛星放送を録画できるだけではありません。HDDもブルーレイディスクレコーダーも内蔵するので配線が最小限で済み、テレビの背面がスッキリ。テレビ周りを掃除したいお母さんも大絶賛しそうです。

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    新4K衛星放送チューナー搭載のRA1000シリーズ(写真右)と、新4K衛星放送チューナー非搭載の4K対応テレビ(写真左)の背面を比較。ケーブル類のすっきり感は一目瞭然です

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    内蔵のHDDやブルーレイディスクドライブが万が一故障しても、背面から取り外して、外付けHDDを接続できるので、テレビごと修理に出す必要がありません

録画した新4K衛星放送の番組を、ブルーレイディスクにダビングしたい場合、録画モードを4Kからハイビジョンに変換するだけで簡単に移せます。もちろん地上波の番組や、ビデオカメラから取り込んだ思い出の映像も、ブルーレイディスクやDVDにダビングできますよ。

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    HDDに録画した新4K衛星放送もブルーレイディスクに簡単にダビング

ブルーレイディスクレコーダーは、本体正面の下部に搭載。最新規格のUltra HD ブルーレイの再生にも対応しました。レコーダーを内蔵する本体下部はスタンドと金属で結合されていて安定感があり、地震のときも倒れにくい耐転倒設計です。

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    ブルーレイディスクレコーダーをオープンしたところ

本体下部にはDIATONE NCV スピーカー4基(ツイーター×2、ウーファー×2)を内蔵。実用最大出力は10W+10W(JEITA準拠)。「三菱電機といえば、DIATONE」という人も少なくないだけに、ここは期待通りのスペックといったところ。よく見るとフチが金色に塗装されており、リッチな印象を醸し出しています。

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    本体下部のDIATONE NCVスピーカー

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    DIATONE NCVスピーカーのユニット。ツイーター(左)とウーファー(右)

画質は語らず、されど妥協せず

今回開催された「REAL RA1000シリーズ」の説明会では、テレビの説明会でありながら、画質に関してあまり大きくうたっていなかったのが印象的でした。

決して画質を妥協しているわけではありません。RA1000シリーズでは、黒がしまる独自の「DIAMOND Panel」やノイズ低減機能を備えているほか、高コントラスト映像を描画する「DIAMOND Engine 4K」などを採用し、4K映像の美しさを引き出します。

リアルで繊細な色・画質を映し出すカラーマネジメントシステム「Ultra Color Matrix」も搭載。12軸の色調整に加え、8,000点の補正点を持つ3Dルックアップテーブルを備え、ひとつの色を補正したときに他の色が引きずられないようになっています。

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    補正したい色だけを調整できるUltra Color Matrixを採用しています

リモコンまで使いやすい

ただ、こうした技術的なスペック紹介は最小限にしたいというのが、三菱電機の考え方です。

三菱電機では以前から、テレビをAV家電ではなく「生活家電」と位置付けており、先進機能を使いこなすAVマニアに満足してもらうことよりも、AVに詳しくないユーザーが簡単な操作でテレビ視聴を楽しむことに重心をおいています。RA1000ではこの方向性がより顕著になった印象です。

特にそれが感じられるのは、リモコンの「予約」ボタンの下に新たに追加された「Quick Go」ボタンでしょう。テレビ放送を見ながら、録画している番組や裏番組を探す機能を呼び出すもので、画面上部に録画している番組のサムネイルが表示されます。その状態で下ボタンを押すと、裏番組の番組名が画面下部に表示されます。

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    リモコン上部「予約」ボタンの下に、「Quick Go」ボタンが新たに追加されました

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    リモコンひとつに様々な機能が搭載されています

ちなみにリモコンには「グット楽リモコン」という名前が付いていて、今モデルからデザインを変更。表面にボタンの穴がないシートタイプを採用していて、ちょっと水がかかった程度の汚れなら、ティッシュでサッと拭き取れば落ちるのが嬉しいところ。

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    リモコン表面はボタンの穴がないシートタイプなので、キッチンにも気軽にもちこめます。「Quick Go」ボタンも確認できます

グット楽リモコンというくらいですから、使い勝手にもこだわっています。放送中の番組や録画した番組を「見る」ボタン、録画するために番組表を呼び出す「予約」ボタン、ダビングするための「残す」ボタンは、それぞれ、青い三角、赤い四角、緑の丸にデザインされていて、色や形で覚えられるようになっています。

さらに無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)に対応し、スマートフォンの専用アプリからテレビのリモコン操作が可能です。アプリ上のボタン配置はリモコンと完全に同じなので、新たに操作方法を覚える必要もありません。取材した時点でアプリのリモコンにQuick Goボタンは未実装でしたが、10月の発売時期までには準備したいとのことです。

ちなみにテレビをネットワークに接続すると、テレビ単体でYouTubeとTSUTAYA TVを視聴可能。ただしNetflixやAmazonプライム・ビデオを視聴するには、Amazonの「Fire TV Stick」などが必要です。

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    スマートフォンから迷わずリモコン操作できます

三菱電機が想定するRA1000シリーズのユーザー像は、子育て世代や30代~40代の主婦、共働き世代、シニア世代など。操作性や利便性を重視する層に「生活家電」としてアピールしていく考えです。

2018年12月から始まる、BSと110度CSによる新4K衛星放送の視聴には、4K対応チューナーが新たに必要です。しかし三菱電機によると、こうした世代の多くは現在の機器では新4K衛星放送を視聴・録画できないことを知らないといいます。

新たにチューナーを用意しテレビにつないで、新4K衛星放送を見るよりも、RA1000シリーズを導入するだけで、迷わず新4K衛星放送の視聴と録画が可能になるメリットを訴求していきます。

価格はオープンですが、従来の「LS3シリーズ」よりも安価で、競争力のある価格帯を狙っていきたいとのこと。新4K衛星放送を気軽に録画できるなどのわかりやすい訴求点があるだけに、ぜひ価格面でも注目を集め、シェア拡大を目指して欲しいところです。

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    RA1000シリーズの対象ユーザー像

モデルハウス「ENEDIA」で実際の操作性を体感

説明会のあと、工場の敷地内に設けらているモデルハウス「ENEDIA」を見学しました。ENEDIAでは、三菱電機の製品がリビングやキッチン、寝室などに配置され、実際の生活シーンを想起しながら触れられる仕組みになっています。

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    工場の敷地内に設けらているモデルハウス「ENEDIA」

リビングと、リビングに面したダイニングキッチンでは、REALシリーズのオートターンを実演。これはテレビの向きをリモコン操作で左右に動かせるもの。スタンド部に首振りの機構を搭載しており、たとえばお母さんがキッチンで洗い物をしながら、簡単にテレビの向きを変えられます。三菱電機のテレビにかなり昔から備わっており、同社が「既に特許期間も切れているので、他社にもぜひ気軽に真似して欲しい」なんてニクイことをいうくらい便利な機能です。

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    リビングと、リビングに面したダイニングキッチンをイメージしたスペースです

RA1000にはドラマやニュースキャスターなど、人の声を聞き取りやすくする「声ハッキリプラス」機能も備えており、ながら視聴でもセリフが聞き取りやすくなっています。

さらにBluetoothによる音声の送受信にも対応。ENEDIAではオートターンで画面の角度をダイニングキッチン方向へ変えたあと、手元のスピーカーから音声を出力するところまで、リモコンでパパっと操作するデモを実演しました。

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    台所で洗い物しながらテレビを観たいときは、リモコンで画面の向きをオートターン。Bluetoothスピーカーを使えば、手元で音声を鳴らせます

RA1000シリーズのラインアップは、58V型の「LCD-A58RA1000」、50V型の「LCD-A50RA1000」、40V型の「LCD-A40RA1000」。共通仕様は、画素数が水平3,840×垂直2,160画素、アスペクト比が16:9。LEDバックライトの配列はエッジ型です。チューナーはBS/110度CS 4K×2(2番組同時録画は不可)、地上/BS/100度CSデジタル×3(3番組同時録画は不可)、ハードディスク容量2TB(録画可能時間は最大約126時間)、Ultra HD ブルーレイ再生対応ブルーレイディスクレコーダー搭載。

主なインタフェースはHDMI入力端子×3(4K HDR10/HLG対応、HDCP1.x/2.2対応、REALINK対応、HDMI1のみARC対応)、ビデオ入力×1、ヘッドホン出力×1、デジタル光音声出力×1、USB×2(背面は外付けHDD用、側面はUSB機器用)。

ネットワーク機能としては、有線LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)×1、無線LAN(IEEE802.11 a/b/g/n/ac)対応、YouTube対応、TSUTAYA TV対応、スカパー!プレミアムサービスLink(録画)対応、家庭内ネットワーク(サーバー)対応、Bluetooth(送受信)対応となっています。

本体サイズと重量は、58V型「LCD-A58RA1000」のスタンドありが、W11,302×D382×H897mmで33.2kg、スタンドなしが、W1,302×D202×H841mmで28.6kg(ボタン含まず)。50V型「LCD-A50RA1000」のスタンドありが、W1,128×D334×H790mmで26.4kg、スタンドなしがW1,128×D202×H734mmで22.1kg(ボタン含まず)。40型「LCD-A40RA1000」のスタンドありがW903×D334×H651mmで20.3kg、スタンドなしがW903×D202×H596mmで16.1kg(ボタン含まず)。