日立製作所(以下、日立)は、自治体が保有するデータのオープンデータ化と利活用推進のほか、民間のクラウドサービス利用を支援する「地域IoT連携クラウドサービス」を、全国の自治体向けに8月21日から販売を開始することを発表した。提供開始は10月1日、価格は個別見積もり。
「地域IoT連携クラウドサービス」は、マイナンバー制度の施行に伴い、強固なセキュリティ対策が講じられている自治体情報システム内にあるデータのさらなる利活用を促進するため、インターネットと分離された庁舎内のネットワーク環境を維持しながら、セキュアな環境下で自治体内データの外部連携を実現し、民間のさまざまなクラウドサービスの利用を可能にするもの。
このサービスを活用することで、各自治体で蓄積した防災やエネルギー、ヘルスケア、観光、交通といったさまざまな分野のデータを分析・利活用することが可能となり、地域の活性化や安全、公共サービスの充実など、データを活用した政策立案や自治体の課題解決を支援する。
自治体内のLGWAN系業務システム環境とインターネット利用のためのネットワーク環境を分離するほか、ウィルスの感染を防ぐ無害化通信を維持しながら、自治体データの外部サービスとを連携し、従来は自治体内でインターネット環境から分離して管理されていたデータを外部連携できるとともに、各種民間サービスをLGWAN-ASPサービスとしてセキュアに利用することが可能となる。自治体データと民間サービスとの連携を実現することで、行政の透明性の向上や新サービスの創出に寄与するとしている。
また、同サービスは、日立の環境情報ソリューション「EcoAssist」や「地域包括ケアICTソリューション」など、同社が提供するクラウドサービスとの連携にも活用できる。地域内に分散する施設や事業者が保有する情報を一元管理・連携し、地域の環境マネジメントや医療・介護などにおける課題解決を支援するとしている。