テスト機の主なスペックは下記の通りです。

今回実験に使用したPCのスペック

  • ベアボーン:Shuttle「SZ170R8V2」
  • CPU:Intel「Core i7-6700K」
  • メモリ:32GB DDR4-2133 SDRAM
  • ストレージ:東芝「THNSNJ256GCSU」(Serial ATA 3.0)
  • GPU:ZOTAC「GeForce GTX 970」(4GB)
  • Crazy Fan使用時はベアボーンの外装をはずし、PC内部に風が当たるように隣接して設置しました

CINEBENCHの計測結果は?

テストに使用したベンチマークソフトは「CINEBENCH R15」。Crazy Fan未使用時、使用時それぞれ5回ずつ計測を実施しています。下記がその結果です。

Crazy Fan使用前後のCINEBENCH R15のCPUスコア
Crazy Fanなし Crazy Fanあり
1回目 878 884
2回目 881 880
3回目 883 884
4回目 881 883
5回目 882 879
平均 881 882

さ、下がってない~~~!! ……うーん、かなり微妙な結果ですね。CINEBENCH R15のCPUスコアの平均値は、Crazy Fan未使用時が881 cb、使用時が882 cb。わずかながらスコアは向上していますが、誤差レベルの違いです。

  • テスト中は最大風量。63.5dBAの騒音に耐えたと言うのに……。なおこのように騒音計をずらしておくと、動作音は低く計測されます

CPUの温度は下がるのか?

それではCrazy Fanの効果はまったくないのでしょうか? 今度はベンチマーク実行中のCPUパッケージ温度に注目してみました。

  • 前の5回がCrazy Fan未使用時、あとの5回がCrazy Fan使用時のグラフです。温度は通常時で40度ほど、ベンチマーク実行時で「Crazy Fanなし」のときは平均で70度以上まで上がりますが、「Crazy Fanあり」のときは平均で65度ほど。明らかにCPUパッケージ温度が下がっています

おっこれは……!!! CPUパッケージ温度はCrazy Fan未使用時に最大73度だったところ、使用時は最大67度と6度もの低下が見られました。今回はクロック周波数4.00~4.20GHzのCore i7-6700Kで計測したので、Crazy Fan使用時にベンチマークスコアが大幅に向上することはなかったですが、より高い周波数で動作し、発熱量の多い最新CPUで計測すれば一定の効果は得られそうです。

PCの冷却効果はともかく、薄型ボックス扇風機としては魅力的な「Crazy Fan」ですが、記事執筆時点ですでに完売となっております。まだ猛暑が続くというのに残念です。来シーズンに、タイマー機能などを追加した新モデルが発売されることに期待しましょう。というか再販もしてください(真顔)。