近年ネットで目立つのが、匿名で誰かに質問したり、あるいは言いたいことを代理で相手に伝えてくれる、匿名コミュニケーションサービスの躍進だ。

匿名コニュニケーションが流行する理由は?

匿名でなくてはならない理由は、大きく2つに分けられる。ひとつは、コミュニケーションを円滑に行う目的だ。例えば、著名人に対してファンが質問するといった1対多の関係では、重要なのはその回答であって、質問者個人の名前はあまり意味を持たないことが多い。こうした場合に、個人名を出さないことは、質問のハードルを下げる効果もあって一石二鳥というわけだ。

もうひとつは、本人に面と向かって言いにくいことを伝える目的だ。名前を明かして伝えてしまうと、その後の付き合いに支障をきたしたり、攻撃を受ける危険がある場合を想定し、身分を隠して伝達できるよう配慮されているわけである。前述のケースよりも匿名である必然性が高く、個人を特定させないための二重三重の工夫が盛り込まれていることもしばしばだ。

こうした匿名サービスは、ネット実名制が導入されていない日本のインターネットにおいて、良くも悪くもひとつのトレンドとなっているが、前提はあくまでもポジティブな用途で使われることにあり、悪用を防ぐためにネガティブなコメントを排除したり、送信時間をランダム化して身元の特定を難しくするなど、独自の進化を遂げつつあるのが興味深い。

今回は、Twitterをはじめ特定のSNSとのアカウント連携を必須とせず、さまざまなSNSと組み合わせるなどして幅広く使える匿名コニュニケーションサービスを5つ紹介する。

匿名質問サービスの代表格「Peing」

「Peing」は、最近の匿名質問サービスブームの発端となったサービスで、匿名で届いた質問に対し、SNS上で回答することができる。質問する側は実名を出す必要がなく、また受け取った側はどの質問に回答するかを任意に選べるのが利点。テキスト以外に動画や音声で回答できることも特徴。iOS/Androidアプリもリリースされている。

  • Peing

ネガティブな質問をAIが排除する「マシュマロ」

「マシュマロ」は、匿名でメッセージを受け取ることができるサービス。AIをオンにすることで悪口などネガティブな内容は削除され、ポジティブな内容だけを受け取ることが可能。不特定多数に向けて質問を投げかけることも可能で、炎上ストップ機能などSNS向けの機能も備える。前述のPeingとよく似たインターフェイスだが、こちらはユーザ同士のフラットなやりとりに使われるケースが多いようだ。

ハラスメント行為を代理で通知する「Sorehara」

「Sorehara」は、セクハラやパワハラ、モラハラなど、本人には面と向かって言いづらいハラスメント行為を本人に代わって代理で通知するサービス。ハラスメントの種類を選んで相手の名前とメールアドレスを入力し、程度を選んで送信を実行する。身バレを防ぐために送信時間をずらす機能や、相手から受け取ったフィードバックをオンラインで確認できる機能も備える。

  • Sorehara

気になったことをこっそり教える「コクッチ」

「コクッチ」は、気になったことを相手に匿名で教えられるサービス。「ワキガ」「口臭」「セクハラ」「空気読めない」「自慢しすぎ」など目的別にさまざまな子サイトが用意されており、相手のメールアドレスを入力して送信すると、それらを諌める定型文が記されたメールが届く仕組み。前出の「Sorehara」が受信側からのフィードバックを受け取れるのに対し、こちらは一方通行であることが特徴。

  • コクッチ

鼻毛出ている問題をスマートに解決「チョロリ」

「チョロリ」は、鼻毛が出ていることを匿名で相手に知らせるサービス。鼻毛が出ていた人の名前とメールアドレスを入力した後、出ていた穴と本数、本人との関係などを入力して送信を行う。基本的にはジョークサイトであり、注意書きにも「シャレの通じない相手には贈らないでください」とある。同じ運営元による「帰りたい」通知代理サービス「帰らせ屋」もある。

  • チョロリ