日立ソリューションズは、ステークホルダーが多い建設関係者間で「3D建物モデル(BIMデータ)」をBIMの専用ソフトウェアなしに3Dビューアで参照でき、関連する情報と合わせて共有・活用できる「活文 BIMデータ共有・活用ソリューション」の販売を、7月31日から開始することを発表した。価格は個別見積もり。

  • 「活文 BIMデータ共有・活用ソリューション」の概要

    「活文 BIMデータ共有・活用ソリューション」の概要

建築業界は、五輪などの需要で活況を帯びている一方で、労働力不足の問題が深刻化し、生産性の向上が求められている。建築設計や施工現場では、多様な関係者間の合意形成や事前デジタル検証、ICT技術活用など、生産性を向上するための手段として、BIMの適用が進められている。

しかし、BIM導入には専用ソフトウェアや専門技術者が必要になるうえ、社外関係者間との大容量のBIMデータ共有手段も課題となり、特定の事業者間でしかBIMデータを活用できていない。

今回発売される「活文 BIMデータ共有・活用ソリューション」は、総合建設業者(ゼネコン)や、建築工事や電気設備工事、空調・衛生工事などの下請建設業者(サブコン)の設計者が個別に作成したBIMデータを、大容量高速転送技術で転送して一元管理することで関係者と迅速に共有できるソリューション。

また、BIMデータを統合して検証した結果や課題、変更点などの情報も紐付けして管理できるため、課題や修正の意図が伝わりやすく、ゼネコンやサブコンの各設計者の迅速な修正が可能となる。さらに、更新後のBIMデータは自動で版管理されるため、誰がいつ設計変更をしたのかが履歴とともに確認できるため、手戻り防止につながるという。

これにより建築プロジェクトの関係者は、最新のBIMデータを3Dビューで共有し、問題点を共通認識しながらプロジェクトを推進することが可能となるため、早期の合意形成や課題解決により、建築プロジェクト全体の生産性向上を実現できるとしている。

なお、同ソリューションは、企業間情報共有システム「活文 Managed Information Exchange」が前提となっており、その中の大容量高速ファイル転送やドキュメント保護の機能を活用している。