Kofax Japanは7月10日、都内で記者説明会を開催し、米Kofax CEOのレイノルズ・C・ビッシュ氏と、Kofax Japan セールスディレクターの河上勝氏が最新のビジネスアップデートに加え、国内における事業戦略について説明した。

今回、同社は「Kofax TotalAgility(KTA)」とRPA(Robotic Process Automation)製品「Kofax Kapow」について重点的に説明した。KTAは、マルチチャネルキャプチャ、RPA、BPM(Business Process Management)、DCM(Demand Chain Management)、電子署名、CCM(Customer Communications Management)を内包したソフトウェアプラットフォーム。

  • 「Kofax TotalAgility」の概要

    「Kofax TotalAgility」の概要

ビッシュ氏は「他社の製品は、個別の機能を統合した基盤を持っておらず、個別で展開している。これは統合型よりもコスト高、時間を要し、ROI(投資対効果)の向上が見込めない。われわれは統合型、個別機能を切り出す形でも提供を可能としている」と、他社製品と比較したKTAの優位性について説明した。

  • 米Kofax CEOのレイノルズ・C・ビッシュ氏

    米Kofax CEOのレイノルズ・C・ビッシュ氏

現在、グローバルでのインストールベースでは2万1000人のユーザーを抱え、グローバルなハイブリッド市場開拓モデルを持ち、大規模エンタープライズの顧客に対応するとともに650社のリセラーと協力し、SMBにも対応を可能としている。さらに、総ソフトウェアライセンス収益において、金融機関・保険が28%、製造・小売が30%、政府機関が16%を占めている。

主なユースケースとしては複数のチャネルから情報を取得し、ビジネスに重要な内容を抽出/完成する「OCR」、顧客および有権者のオンボーディングを自動化/デジタル化する「顧客のオンボーディング」、請求・買掛金勘定・そのほかの財務処理を自動化/デジタル化する「財務処理の自動化」、人と情報を多用するプロセスを自動化/デジタル化する「RPA」となる。

  • 主なユースケースの概要

    主なユースケースの概要

Kapowの特徴

そして、近年ではRPA製品であるKapowの受注が日本国内では好調だ。同製品は「包括的なデスクトップ&ブラウザベースのRPA」「数十万のロボットが稼働」「独自のアーキテクチャと機能」の3点の特徴を備える。

包括的なデスクトップ&ブラウザベースのRPAについては、人間主導型とロボット主導型の両方の業務に対応できるRPAの機能を提供しているほか、ロボットはグローバルで600社の顧客が導入し、多くのロボットが稼働。

独自のアーキテクチャと機能に関しては、マネージド仮想マシンが不要、サーバベースの一括導入と管理、リアルタイムのテスト/でバック機能を備えたローコードデザイナー、プロセスマイニング&ロボットモニタリングのための分析、同社のキャプチャソフトウェアとの統合、機械学習・AIの活用、ダイナミックなライセンス利用&無制限のロボット開発を可能としている。

Kapowのブラウザは独自のブラウザエンジンを搭載しており、ChromeやInternet Explorer、Firefoxに依存することなく高速で堅牢なレスポンスを提供するほか、Kofax合成APIにより、多様なアプリケーションとコーディングせずに接続を可能としている。

また、一般のRPAはインストールされるクライアントごとにライセンスを課金するが、Kapowはサーバ上でのロボットの多重化でライセンスを算出するため、操作するクライアント数(VDI:仮想デスクトップ)に対して課金がないという。

加えて、クラウドはAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureなどのクラウドサービスにも対応し、最小限のインフラコストでロボットの開発を可能としており、クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境が可能であり、BPO向けのマルチテナント(次期バージョン)にも対応するとしている。

さらに、大手企業ではCitrixなどのVDI機能を利用しており、都度ターゲットになるアイテムをマウスで指定し、OCRの処理を行い、場所を認識しなければならなかったが、ニューラルテクノロジーを活用したVDI上のアイテムの自動認識技術を新たに開発している。

三菱UFJ銀行におけるKapowの導入効果とは

三菱UFJ銀行では、2014年夏にPoCで住宅ローンにおける団体信用命保険業務に適応、2015年11月にシンガポールにおいてパイロットで20業務で効果検証、2017年に国内主要300の基幹系業務に適用し、Kofaxとライセンス包括契約を締結しており、Kapowの国内最大のユーザーだという。

三菱UFJ銀行 デジタル企画部 上席調査役の西田良映氏は「今後、2000以上の業務プロセスをデジタル化し、大規模かつグローバルな契約を締結している」と話す。具体的には米国、ロンドン、中国、香港、シンガポール、ブラジルなどに展開しており、Kofaxのソリューション事例やトラブル情報や解決法などを、両社でシームレスに共有し、解決するグローバルのサポートフレームワークを構築している。

  • 三菱UFJ銀行 デジタル企画部 上席調査役の西田良英氏

    三菱UFJ銀行 デジタル企画部 上席調査役の西田良映氏

現在、同氏が率いるデジタル企画部では、エンドコンピューティングではなく、中央集約型でビジネスアナリストが業務のAs-Isを分析し、RPAを適用するTo Beを提案しているほか、システムに50人以上の開発を常駐させ、迅速にRPAを適用させることに取り組んでいる。

同氏は「エンドコンピューティングとした場合、マクロと同様に手元の操作をエンドユーザーに自動化させてしまうと、メンテナンスのケアが重要となるため、うまくいかないことがあるほか、規制が変わる際にオペレーションの変更が伴うため、ガバナンス体制としている」と語る。

現状では100以上の業務プロセスが自動化されており、ロボットは500~600が稼働。適用範囲としては、すべての銀行領域に適用し、ローンや外国送金、商品のオンボーディング、コンプライアンス、ITの運用管理など、多種多様な領域においてルール化できるものに対して適用しているという。

今後の日本における戦略に関して、河上氏は「国内企業の課題であるドキュメント起点のプロセスの自動化、SAPやOracle EBS周辺プロセスの自動化、デスクトップ型RPAとの差別化、パートナーとの販売強化などに取り組む。また、GUIの日本語化が完了しており、300以上の機能が設定のみで利用が可能になっている」と述べた。

  • Kofax Japan セールスディレクターの河上勝氏

    Kofax Japan セールスディレクターの河上勝氏

  • 国内における事業戦略の概要

    国内における事業戦略の概要

また、RPAの戦略についてはビッシュ氏は「RPAは、さらに大きなインテリジェントプロセスオートメーション市場への入り口となる。しかし、われわれの強みはRPAだけではなく、マルチチャネルキャプチャなど、そのほかの機能も提供できることであり、インテリジェントプロセスオートメーションに注力している点だ。そのため、既存のポートフォリオや2万1000人以上のインストールベース、グローバルなハイブリッド市場開拓モデルを活用していく」と、強調。なお、同社ではアクセンチュアとJIECとパートナー契約を締結したことを発表している。

  • RPAだけではなく“インテリジェントプロセスオートメーション”を強調していた

    RPAだけではなく“インテリジェントプロセスオートメーション”を強調していた