6月20日、ASUS JAPANがPCの新製品を発表した。その中で注目を浴びたのは、ノートPCのタッチパッド部分にディスプレイを埋め込んだ「ScreenPad」だ。
これまでASUSは、ほかのメーカーにはない斬新なアイデアを何度も発表してきたが、その多くは短命に終わっている。だが、今回のScreenPadは単なるアイデア商品ではないという。どこが違うのだろうか。
タッチパッドをサブ画面として活用
ScreenPadは、タッチパッド部分にディスプレイを埋め込むことで、Windowsのサブ画面として機能する仕組みだ。指で触れた感触は通常のタッチパッドと変わらず、マウスカーソルを違和感なく操作できる。
サブ画面としては、いくつかのモードが用意されている。ScreenPad用のアプリを利用するモードでは、「音楽プレイヤー」や数字を入力するための「テンキー」などを表示できる。
2台目のディスプレイとして使うモードでは、Windowsのデスクトップ領域を拡張し、任意のウィンドウをScreenPad上に表示できる。文字サイズは小さく、用途は限られそうだが、マウスカーソルを動かして操作できるので見た目以上に使い勝手は良い。
そもそもASUSは、なぜこのようなギミックを開発したのだろうか。ASUSの調査では、PCで仕事をする人のデスクトップにはブラウザや音楽プレイヤーなど複数のウィンドウが開いており、仕事に使える領域は65%しか残っていなかったという。
デスクトップPCなら複数台のディスプレイを活用し、使用頻度の低いウィンドウを脇に追いやることもできるが、ノートPCでは難しい。そこで、ノートPC本体の中で使えそうな空間を有効活用したのがScreenPadといえる。
他社の例では、アップルが「MacBook Pro」のファンクションキー部分にディスプレイを埋め込んだ「タッチバー」を製品化している。ScreenPadは、このアイデアをタッチパッド上で実現したものといえるだろう。