「ラクレット」という料理をご存知でしょうか。チーズの断面を直火であぶり、溶けた部分をナイフで削ってパンやジャガイモにかけて食べる料理です。アニメ『アルプスの少女ハイジ』や、荒川弘先生のマンガ『銀の匙』に出てきた料理を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。チーズを溶かすには本格的な設備が必要で、『銀の匙』ではラクレット専用グリルをつくるところからはじめていました。でも、大掛かりな設備がなくても大丈夫。ウィナーズの調理家電ブランド「レコルト」が、自宅で気軽にラクレットが楽しめる調理家電を発売しました。そこで、7月5日に都内で行われた試食体験会についてレポートします!

  • とろっとろのチーズが誘惑してきて、ああ……。溶けてしまいそう

体験会にはチーズ専門家の梶田いずみさんが登場し、「ラクレット」について次のように説明しました。

「ラクレットとは、直径30cmくらいで、重さ6kgほどの大きめなチーズのこと。そのラクレット(チーズ)を専用のグリルにセットし、表面を溶かして食べるのがラクレット(料理)です。ラクレットは溶けたチーズをナイフで削りながら食べるのですが、フランス語で削ることを『ラクレ』といいます。そこから削って食べるチーズという意味で、ラクレットという名前がつきました。チーズの名前であり料理の名前でもあるラクレットは、スイス、ドイツ、フランスなどで、とても人気のあるチーズ料理です」(梶田さん)。

  • チーズ専門家の梶田いずみさん

専用のグリルで調理する場合はラクレット(チーズ)を使いますが、今回使用する「ラクレット&フォンデュメーカー メルト」は家庭用の卓上サイズ。大きなチーズはのせられません。いったいどのようなチーズがいいのでしょうか。

「スーパーなどで手に入りやすい市販のチーズで大丈夫です。溶かして食べるには、チーズに水分がある柔らかいタイプがおすすめ。プロセスチーズの柔らかさを目安にして、それよりも硬いチーズは脂が分離するので、ラクレットには向いていません」と梶田さんはいいます。

試食会では、柔らかめのチーズということで、ラクレット(今回は小さく切り分けて提供されました)、ゴルゴンゾーラ、ゴーダ、カマンベール、モッツアレラなどでラクレット(料理)をつくりました。

  • 写真のチーズは、ラクレット(左上)、モッツァレラ(右上)、ゴゴンゾーラ(hぢアリ下)、ゴーダ(中央下)、カマンベール(右下)。ラクレット以外はスーパーでよくみかけるチーズばかりです

調理家電「ラクレット&フォンデュメーカー メルト」は、二段構造になっています。ラクレットをつくるときは、下部にセットしたミニパンでチーズを溶かしつつ、上部のプレートで野菜などの具材を加熱します。上部プレートは凹凸がある面と、フラットな面の両面で使えるリバーシブルとなっており、野菜を焼くときは凹凸のある面を使用。フォンデュをつくるときはフラットな面を上にして、付属のココットでつくります。

  • 本体サイズはW29.5×H11.0×D10.5cm。コンセントは本体一体型で、長さはおよそ1mです

  • 本体の一番上にあるプレート。凸凹の面とフラットな面のリバーシブル構造です

  • 上部プレートの下の熱源があります

  • サイドにあるダイヤルを調整して加熱します。温度は60度前後から220度前後です

  • カラーは2色展開。陶器耐熱ココット2個、ミニパン2個、レシピブックが付属します

  • ラクレットをつくるときは付属のミニパンを使います

さていよいよ調理体験の開始。まず、本体のスイッチをいれてMAXに火加減をあわせます。予熱が完了するまでおよそ3分から5分です。プレートが温まったら上部プレートに具材を載せます。伝統的なラクレットは、ひたすらジャガイモとパンにチーズをかけて食べるそうですが、今回の食材はバラエティ豊か。さまざまなチーズと食材の組み合わせが楽しめました。

  • 2人分の具材を載せました

  • いい感じに野菜に焦げ目がつきます。ベーコンなど厚みのある食材もバッチリです

梶田いずみさんオススメの組み合わせは、ラクレット(チーズ)とジャガイモ、レンコン、バケット。モッツァレラとトマト、ハーブ。カマンベールとマッシュルーム。ゴーダ(シュレッドタイプ)とベーコン。ゴルゴンゾーラとサツマイモ、ハチミツ、クルミだそう。まず、プレートの上部で野菜やバケットを加熱します。プレートに厚みがあり、凸凹が食材にあたってほどよい焦げ目がつきます。おいしそう……。

  • ミニパンにチーズを載せて加熱します。加熱しすぎると脂が分離するので、1分から2分くらい加熱し、このくらい溶けた状態がオススメ

  • とろ〜っと一気に具材にのせます

  • みて! このとろーっとしたチーズ! アルプスのアルムおんじ! おいしいよ!

  • アクセントにスパイスをかけて食べるのもアリです

ミルキーなチーズのおいしさが野菜を包み込んでおいしい! 熱々をすぐ食べる幸せ。チーズ好きにぜひ食べて欲しい! スパイスを使うとまた違った風味となり、飽きずに食べられます。ピンクペッパーや山椒など、鮮やかなスパイスを使うと見た目も楽しくなりますね。

  • 筆者が一番気に入ったのは、ゴルゴンゾーラ、サツマイモ、ハチミツ、クルミの組み合わせ。塩味が強いゴルゴンゾーラは甘みのある食材と相性がよく、デザートみたいでした。このほかレンコンもホクホクしておいしかったです

高い温度でさっと加熱し、チーズを溶かして食べるのですが、加熱しすぎる脂の成分が分離してしまうため、チーズから目が離せません。かといって、ミニパンを外すとチーズが冷えて固まってしまうので、つくったらすぐに食べるのがオススメ。焼いてチーズをかけて食べて、焼いてチーズをかけて食べて……を繰り返す。なんだか焼き肉みたいでした。

とろっと溶けたチーズは本当においしくて、幸せな気持ち。鍋料理をするとき、卓上コンロがテーブルの大半を占めてしまい食材をテーブルに載せきれないということがありますが、ラクレット&フォンデュメーカー メルトは本体サイズが小さいので、ラクレットに使う食材のほか、サラダなど別のメニューもテーブルに並べられそうです。

続いてフォンデュ。今回はチーズフォンデュとチョコレートフォンデュの2種類を試しました。

  • 上部にプレートのフラット面をセットし、さらにココットをのせます。加熱しながら食べられるのでとろっとした状態を保てますよ

  • バケットは皮の部分にピックをさすと、チーズをつけているときもピックが外れません

  • チーズフォンデュには、かたさのある食材がオススメだそう

  • チョコレートフォンデュはマシュマロやフルーツで楽しみました

  • ラクレットと合わせたい飲み物として、炭酸水とストレートティーが用意されていました

最初はこんなに小さいと、パーティーなど大人数に向けてつくるときに量が足りないのでは? と思ったのですが、すぐにチーズが溶けるので、順番に調理してもそれほど待たずにすみそうでした。卓上調理は食べ残しも気になりますが、ラクレット&フォンデュメーカー メルトは食べる分だけ調理するので、残さず食べられそうなのもうれしいところ。片付けがラクなのも魅力的です。

今回は、ラクレットとフォンデュを試しましたが、ミニパンと上部プレートの2段で調理できるので、ミニパンで目玉焼きを焼きながら上部プレートでソーセージを焼くなど、朝食の準備でも使えそうですね。ラクレット&フォンデュメーカー メルトは8月上旬に発売。希望小売価格は5,000円(税別)です。

  • パッケージはカラーリングによってデザインを変えています。新築祝いや結婚祝いなど、ちょっとしたプレゼントに喜ばれるかもしれませんね