デルは6月26日、ビジネス向けクライアント新製品の発表会を開催しました。中心はビジネス向けのPシリーズモニタ(5製品)です。また、企業向けクライアントPCであるOptiPlexシリーズが25周年を迎えており、その説明もありました。

  • モニタは5製品発表されましたが、展示は3製品。DellプロフェッショナルシリーズP2719Hは27インチで、台座サイズは22.6%、モニタの厚みも従来比で15%削減しています

  • DellプロフェッショナルシリーズP2319Hは23インチサイズ。パネルの厚みは前モデル比18%削減されています

  • DellプロフェッショナルシリーズP2419HCは23.8インチ。この製品のみUSB Type-C接続が可能で、56Wまでの電力供給とモニタ出力が一本のケーブルで行えます

  • P2419HCを横から見た状態。パネルの厚みは42.8mmと薄型化されました

  • P2319H(左)とP2317H(右)を並べたところ。P2319Hは3辺極薄ベゼルで比べてみるとスペック以上にベゼルが狭いことがわかります。これはモニタを並べた構成で有利です

  • P2319Hではケーブルホールの位置が変更されており、ケーブルがより目立たなくなっています

  • OptiPlex3060MTとOptiPles3060SFF。ミニタワーきょう体が今のオフィス環境で必要なのか疑問でしたが、ワークステーションほどの性能はいらないがグラフィックスカードやストレージアップグレードを行いたい層に好評とのことでした

  • 21.5インチの液晶のOptiPlex5260AIO。デスクトップからのリプレースでノートPCでは画面が狭い、移動する必要はないという層にアピールしています

  • 23.8インチ液晶のOptiPlex7460AIO。AIO(オールインワンデスクトップPC)のほうが、セパレート型デスクトップPCよりも省電力ということで採用された事例も紹介。上に飛び出ているのはポップアップカメラで必要なときだけ出して利用し、Windows Hello対応モデルも用意されています

  • AIO製品にはアーティギュレーティングスタンドを採用しています。普段デスクトップとして使う場合はこのぐらいでしょう

  • タッチ操作を多用する場合はパネルを大きく傾けることができます

  • いっぱいまで倒すとこのような感じで、対面で資料を閲覧するときなどに活用できそうです

  • AIO製品もツールレスでワンタッチオープンできる構造を採用。指さしている部分を押しながら銀色のパネルを手前に引くとPC内部にアクセスできます

企業向けは21四半期連続のシェア増と好調

デル 執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部長の田中源太郎氏によると、デルは世界市場において21四半期連続でPCのシェアを伸ばしており、昨年(2017年)はモニタ、ThinClient、ワークステーションの分野でシェアトップとなったそうです。日本市場でも、法人向けPC、ワークステーションとモニタの分野で8.0%~11.4%の出荷台数増と、存在感を増しています。

その法人向けPCの中でおもに大企業向けとなるOptiPlexシリーズは、今年(2018年)で25周年を迎えました。累計で2億3,500万台を出荷しており、日本では昨年(2017年2月~2018年1月)の間に39万台近くの受注を得たそうです。最近の傾向として、57%がパートナー経由の販売となっており、パートナーのおかげで特殊な業界にもアプローチできているといいます。

  • デルのビジネス概況を説明したのは、デル 執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部長の田中源太郎氏

  • 世界でも日本でも、デルの法人向けビジネスは好調。世界では41四半期連続のシェア増加となっています

デル クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーの飯塚祐一氏によると、「企業には買ってから移動していないノートPCが63%もある」とのこと。企業の導入でノートPCが当たり前になって久しいのですが、企業内ではノートPCの可搬性を生かしていないケースが多いようです。また、企業内ではまだまだデスクトップPCが多く使われています。

そこでデルは、AIO(オールインワン)のデスクトップPC、いわゆる液晶一体型を提案の一つとしています。このタイプなら、机上の場所もそれほど取らず、ノートPCよりも広い画面で生産性も高い、コストパフォーマンスも高い……というのが理由です。2018年5月に発表した7種類の新製品において、うち3製品がAIO、27インチ製品も投入しました。

  • デル クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品マーケティング本部 フィールドマーケティングマネージャーの飯塚祐一氏

  • 法人向けクライアント製品のラインナップ。ノートPC以外でこれだけの幅があるのはちょっと驚き。オールインワンもフルラインナップしているのが特徴といえるでしょう

AIOにおける強化ポイントの一例として、ポップアップカメラとアーティギュレーティングスタンドも紹介。前者は、普段は隠れているカメラです。セキュリティ上の理由から、企業ユースではPCのカメラ機能を排する傾向にあります。ポップアップカメラなら必要なときだけ有効にして、「知らぬうちに勝手に撮影されていた」という懸念がありません。Windows Helloによる認証にも役立ちます。

アーティギュレーティングスタンドは、スタンドの可動範囲が広く、いっぱいに倒すとほぼ机と水平になる仕組み。一対一のうち合わせなどで、お互いが資料を見ながら話が進められるメリットがあります。

狭額縁とベース面積の削減、進化したPシリーズモニタ

モニタ製品に関しては、Dell Inc. プロダクトマーケティングコンサルタントのビネイ・ジャヤクマール氏が説明しました。ある調査で「大きなモニタと高解像度が生産性を上げる」と回答した人が過半数を占めた一方、デルの独自調査では、デスク上の乱雑さとスペースのなさ悩みを持つオフィスワーカーが多いことがわかりました。

  • Dell Inc. プロダクトマーケティングコンサルタントのビネイ・ジャヤクマール氏

  • 現在のオフィス、1人1人に与えられる「机の広さ」は減少傾向。できるだけ省スペースのモニタに対するニーズが高まっています。同時に、大画面と高解像度が望ましいと考えています

今回の新製品では、デジタルハイエンド製品で導入されていた「3辺極薄ベゼル」と本体が薄い製品をそろえ、より机を広く利用できるようにしています。3辺極薄ベゼルは複数台のモニタを並べて利用するときの見栄えに大きく影響するので、生産性を上げたいという人には見逃せませんね(日本では、企業でのデュアルモニタ導入はまだ限られた分野になっているそうです)。