新しい機能やスキームもいくつか登場しました。目玉となるものをまとめておきましょう。

5月上旬に開催された「Google I/O 2018」では、Googleアシスタントの新機能として、ユーザに代わって店舗に電話をかけ、予約をしてくれる「Google Duplex」なる新機能が披露されました。

Googleアシスタントとの会話であることを店員が気づかないほどの自然さという触れ込みで、会場で流れたデモ映像がフェイクではないかとの疑いも出るほどでした。真偽のほどは明らかではありませんが、スマートスピーカーにこの機能が搭載されれば、画期的であることは間違いないでしょう。

  • 「Google Duplex」では、呼びかける前に”OK Google”をつけなくても会話が自然に進んでいきました

スキル内課金でプレミアム機能が解禁、ユーザーにも利点

一方のAmazonでは、スキル内課金が実装されたことが大きな話題になりました。これはスマホアプリでもよく見られる、課金することでそれまでロックがかかっていたプレミアムな機能が利用可能になるというもので、恒久的にロックが解除されるタイプと、一定期間のみ解除されるタイプとが用意されているようです。スキル自体の有料販売は、現時点ではサポートされていません。

これらのスキル内課金では開発者側が利益の70%を得られることから、これまでマネタイズの方法がなかったAlexaスキル開発者にとっては、まさに待望の仕組みといえます。ユーザの利便性を下げずにどれだけ課金をスムーズに行えるかは慎重に見極める必要がありますが、Alexaスキルの質の向上につながるのであれば、ユーザとしても歓迎すべきことでしょう。

このほかAmazonでは、海外ではすでに導入されていた「子ども向けAlexaスキル」が、日本でも開発できるようになりました。これは16歳未満の子どもを対象としたAlexaスキルで、保護者の同意なしでは、子どもから氏名や電話番号といった個人情報を収集できないよう設計されています。子どもが音声体験を安全に行うための、特別なスキルということになります。

米Amazonでは、フィルタリング機能を強化した子ども向けのEcho Dotを投入するなどしており、これらのスキルはそれと連動する動きと捉えることができますが、まだスマートスピーカーの本格販売が始まったばかりの日本でこれらの開発がいち早く可能になったのは、興味深いところです。

  • 子ども向けのAlexaスキル。米国では13歳未満、日本では16歳未満の子ども向けに開発されたスキルを指します