QS Quacquarelli Symondsは、世界大学ランキング「QS World University Rankings」の第15版を公表した。今回、国内1位の東京大学は、世界ランキングの順位を昨年度の28位から23位に上げ、過去10年間における最高順位を更新した。

QS World University Rankings 2019 上位20

QS World University Rankings 2019 上位20

「QS World University Rankings」は、85カ国に渡る世界上位1,000校の大学をランク付けし、大学評価に広く活用されているランキング。今回のランキングでは、世界的に見ると、マサチューセッツ工科大学が7年連続で1位、アジアではシンガポール国立大学の11位が最高順位となった。

日本の大学は、44校が世界ランキング上位1,000校に選ばれ、昨年比で1校増となった。世界ランキング上位100校のうち日本の大学は5校で韓国と同数、アジアで最多は中国の6校となっている。また、今年のランキングで日本の大学は、17校が順位上昇、15校が昨年と同位、11校が順位を落とす結果となった。新規のランクイン校は京都工芸繊維大学の1校。中でも、東京大学は評価指標の内、Academic Reputation(学術関係者からの世評)スコアは世界第7位、Employer Reputation(雇用者からの世評)のスコアは世界第13位だった。同校は世界の研究機関上位100校にもランクインしている。

  • QS World University Rankings 2019 日本の概要
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全体として日本の大学は、概ね好評価を獲得していると言えるものの、ランクインした日本の44校のうち27校がQSのAcademic Reputation(学術関係者からの世評)のランクを落としており、国際的な学術コミュニティーにおいて、以前と比べて日本の大学の威信の相対的な低下が示唆されている。また、日本の研究パフォーマンスも相対的に悪化し、44大学のうち37大学がCitations per Faculty(教員一人当たりの被引用数)スコアが低下。日本以外の各国において、被引用数の高い研究を発展させる取り組みが意欲的かつ急速に進められたことが一因と推測されるという。さらに、世界的に見て日本の大学の国際性も相対的に低下しており、日本の大学34校がInternational Student Ratio(留学生比率)のランクを落とし、44校中41校がInternational Faculty Ratio(外国人教員比率)のランクを落とした。

世界的に見ると、2004年にランキングが開始されて以降初めて、英国の上位大学の順位に変化があった。オックスフォード大学(第5位)が長年のライバルであるケンブリッジ大学(第6位)を抜いて順位を逆転。また、清華大学はトップ20大学にランクイン(25位から17位へ上昇)し、中国の大学としては2006年以来のランクインとなった。