トータルとしては、明るさと軽さ、画質の良さの兼ね備えた、普段使いに最適なレンズといえます。ボケを生かしたポートレートやスナップ、テーブルフォトなどの用途にもうってつけです。

気になった点は、外装の表面にスレ傷がつきやすく感じること。ソニー純正の大口径標準ズームとは異なり、AF/MFスイッチやフォーカスホールドボタンが省かれている点もやや物足りなく感じます。

ワイド端の焦点距離が24mmではなく28mmスタートである点については、小型軽量とトレードオフの関係にあるので仕方ありません。24mmスタートのほうが撮影の自由度が高いことは確かですが、個人的には日ごろからModel A09に慣れているので、28mmスタートでも特に苦にはなりませんでした。

Model A036は「大きい、重い、価格が高い」という大口径ズームの三重苦を打ち破る画期的なレンズです。15年前発売のModel A09に比べると2倍以上も高価とはいえ、向上した画質や操作性を考慮すれば、依然としてコストパフォーマンスは良好です。α7シリーズのユーザーには、積極的におすすめできるレンズといえます。