GMOインターネットは6月5日に記者向けの発表会を開催し、2018年6月6日から販売が開始される7nmプロセスの半導体チップを搭載した世界初のマイニングマシン「GMO マイナー B2」について、性能や価格などの情報を公開した。
GMOインターネット 代表取締役会長 兼 社長・グループ代表の熊谷正寿氏は「仮想通貨はインターネットに次ぐすばらしい発明だと考えている。しかし、現在は2つの大きな問題があると考えている。1つはビットコインを提唱したサトシナカモトの論文で触れられている“非中央集権”が実現されていないこと。私の尊敬する中国のビットメイン社が優秀すぎるがゆえに、仮想通貨を支えているネットワークがほとんど同社のマシンである。もう1つは、ものづくりの国である日本がネットワークのマシンに一切参加できていないことだ。その2つの問題点に対する解として、我々はマイニングマシンを開発した」と、マイニングマシン開発の背景を語る。
仮想通貨のマイニングを行うためには、高度かつ膨大な計算処理(ハッシュ処理)ができる高性能なマイニングマシンの調達が求められる。そこでGMOインターネットグループでは、高性能なマイニングマシンを自社開発するべく、2017年9月から最先端の7nmマイニングチップの研究開発を進めていた。
今回、販売開始される「GMOマイナー B2」は、マイニング用の集積回路(ASIC)から自社開発したもの。ビットコインやビットコインキャッシュなどに使われる「SHA256」の暗号通貨マイニングに対応している。
GMO マイナー B2は1台で24TH(テラハッシュ)/sのハッシュパワーを搭載している。これは1台で1秒間に24兆回のハッシュ計算を行っているという意味であり、「多くのマイニングマシンと比較して高いハッシュパワーを有しているため、設置スペースと作業時間を半分にすることができる」と、熊谷氏は同マシンのメリットを述べる。
さらに、複数のマシンをデイジーチェーン接続することで、複数のマシンをあたかも1台のマシンのように使うことが可能だ。
これについて熊谷氏は「1台ずつネットワークに接続しないため、ネットワークコストを最大1/55に下げることができる。我々も2万台の既存マシンを北欧で運営しているが、ネットワーク機器代が数億円コストがかかっている。加えて、消費電力も主要他社と比較してTHあたり20%低い。1台あたり1950wである」と説明した。
今回のマイニングマシンは100~240vの電源ユニットも併せて提供される(100vの場合ハッシュパワーが落ちる可能性がある)。また、オンラインでのアップデート、API接続による監視、稼働検知などの機能を搭載。温度センサー機能でオーバーヒートを防止することも可能だ。そのほか、少数のマシンでビジネスを展開する人向けに、マイニングプール「GMO POOL」を提供する。
保証期間は180日、以降は有償修理で対応(送料顧客負担)。注文の申し込み締め切りは毎月10日12時まで。最初の5カ月間は、出荷量を超える注文があった場合、抽選が行われるという。抽選結果の発表は同日18時。支払期限は同月15日の15時だ。なお、製品の説明会に来場した顧客に対しては抽選が優遇されるという。注文締切日や支払日が土日祝の場合は翌営業日。
価格は毎月変動。6月発売分は1999USドル(電源ユニット込)だ。支払いは100%前払いで、ビットコインまたはビットコインキャッシュ、USドルで受け付ける。販売はスイス法人のGMO-Z.comが行う。6月発売分は10月末から順次出荷される。