米コンピュータ歴史博物館 (CHM)は5月22日 (現地時間)、インターネット黎明期の代表的なメールクライアント「Eudora」のソースコードを公開した。

Eudoraは、1988年にイリノイ大学アーバナ-シャンペン校のコンピュータサービス部においてSteve Dorner氏によって開発された。「Bringing the P.O. to Where You Live (あなたが暮らしているところに郵便局を)」というスローガンの効果もあって、Macintoshユーザーの間で人気ソフトになった。

1991年にQualcommが買い取り、無料版と有料のPro版、アドウエア版のProというようにフリーミアム化したが、同社の主要プロジェクトに沿わなくなり始めて2006年に開発を終了した。その後2007年にベータ版が登場したEudora 8.0はMozilla Thunderbirdをベースとしており、2010年にリリースされた正式版はEudora OSE (Open Source Edition)という名称になった。

今回ソースコードが公開されたのは、2006年10月にリリースされたオリジナルのEudoraの最後のバージョンとなった「Eudora 6.2.4 (Mac)」と「Eudora 7.1 (Windows)」。コンピュータ歴史博物館はEudoraのソースコード公開についてQualcommと5年の歳月をかけて交渉、BSDライセンスでの公開で合意し、商標やコピーライト、Eudoraのドメイン、ソースコードの所有権が同博物館に移された。

  • コンピュータ歴史博物館

    米カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピュータ歴史博物館