東芝は4月18日、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」の夏モデルを発表しました。デザインをブラッシュアップし、キーボードの文字や数字を見やすく改善しています。発売は4月25日から順次。価格はオープン、店頭予想価格は135,000円前後から。ここではメディア向け説明会の様子をレポートします。

  • 東芝、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」

    新dynabook Tシリーズは、基本的に据え置き型ではあるものの、テラスや近所のオープンカフェくらいなら持ち出したくなるかも

dynabook Tシリーズは、ノートPC市場の60%を占めるという15.6型ゾーンに展開するdynabookの主力モデル。ターゲットユーザーは幅広く設定されており、ハイエンドの性能を求める層から、PCに初めて触れる初心者層まで意識した、東芝ファンをがっちりつかみつつ、新規ユーザーも積極的に取り込んでいく戦略モデルです。

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    dynabook Tシリーズ

夏モデルでは、T75、T55、T45を刷新し、デザインを見直して使い勝手の向上を図っています。先に従来モデルとの違いだけ抜き出すと、全モデルでキーボードデザインを一新、付属のOfficeスイートを「Office Home & Business 2016」に変更。T75とT55では顔認証センサーを採用し、T55/GはCPUを第8世代Intel Core i3-8130Uにグレードアップ。従来はT75とT55のみだったオンキヨー製2Way 4speakersをT45にも搭載しています。

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    サテンゴールドモデルのdynabook T75/GG

夏モデルの企画で東芝が重視したのは、大きく見て、高画質、高音質、処理能力、セキュリティの4点。スマートフォンの普及に伴って、PCの使用目的がより鮮明化し、スマートフォンとの使い分けを意識するユーザーが増えてきていることを背景に、よりユーザーニーズの高いポイントに絞って製品をアピールしていきたい考えです。

画質と音質に関しては、ネット動画や音楽の視聴用途が拡大していることから、自然な美しい色彩で映像を美しく再現する色補正などの映像技術や、2Way 4speakersによる大音量でもひずみやひび割れのない高音再生といった、Tシリーズの優位性を打ち出します。

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    モデナレッドモデルのdynabook T75/GR

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    リュクスホワイトモデルのdynabook T75/GW

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    プレシャスブラックモデルのdynabook T75/GB

CPUは全モデルで第8世代Intel Coreプロセッサを採用し、効率的な放熱制御技術によって、同じCPUを搭載した他社製品よりも高いパフォーマンスを引き出せるとしています。

セキュリティでは顔認証センサーを搭載。Windows Helloに対応し、PCの前に座るだけで簡単にサインインできるようになっています。独自開発の赤外線カメラにより、通常のWebカメラによる顔認証よりも高い認証率を実現。赤外線なので顔写真の印刷や液晶表示を読み込ませてもきちんとはじきます。

東芝のユーザー調査では、購入時にPCのデザインを重視する人が多く、カラーや質感なども自分の気に入ったものしか選ばない傾向が強くなっているとのこと。特に、ノートPCを閉じている時間の長い人が75%もいることから(使っていない時間が長い)、天板のデザインに注力しています。また、ローマ字入力のユーザーが90%以上にのぼるため、キートップのアルファベットの視認性を向上しました。

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    モデナレッドの天面。遠目にはかすかにヘキサゴンパターンが敷き詰められているように見えます

モデナレッドは従来よりもワインレッド系の深い色合いとなり、Dynabookのユビキタスロゴを使ったパターンを重ね、離れて見たときに奥行きを感じられるお洒落な仕様になっています。他のカラーも同様に、かすかな立体感を演出するストライプやヘアラインパターンが施されています。これらの模様は、素材色にパターンを配置したフィルムを挟み込む「IMR(成型同時加飾転写工法)」によるもので、つややかで傷も付きにくいボディになっています。

なお、Tシリーズの本体カラーはリュクスホワイト(W)、プレシャスブラック(B)、サテンゴールド(G)、モデナレッド(R)の4色展開となりますが、T55のみモデナレッドがありません。

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    よく見ると、Dynabookのユビキタスロゴを用いたオリジナルパターンになっています

キーボードは大きく変わったポイントで、キートップの文字は太くシャープで見やすいUDフォントに変更。タッチタイピング未習得のビギナーには嬉しい仕様といえそうです。ファンクションキーのアイコンはオレンジのサブカラーで、白と黒のどちらのキーボードでもくっきり見やすくなっています。キートップ中央に0.2mmのへこみが付いていて、1キーごとにしっかり打ちやすい仕様は従来通り。

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    キーボードの見やすさを重視し、アルファベットの刻印を左上から中央に変更

  • 東芝、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」

    新モデル(左)と従来モデル(右)のキーボードを比較。キートップの視認性の高さは一目瞭然です

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    サテンゴールドのモデルのキーボード。キートップ以外はボディーカラーと合わせた色になっています

Tシリーズはターゲットをかなり広く設定したモデルなだけに、「老若男女がこだわりを持って長く使える」と訴えるには、エンドユーザーに自分がこの製品を使用している姿をいかに思い描かせることができるかが鍵となります。

今回の説明会はそのあたりも意識して、スタイリッシュなカフェを借り切り、モデルさんを起用して実施。このカフェにはカフェスペースだけでなく、リビング風のハウススペースや、オープンテラスもあり、それぞれの場所でTシリーズを使用する姿が「絵になる」ことをアピールしていました。

  • 東芝、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」

    説明会の会場は、東京・豊洲のライフスタイル発信型カフェ「CAFE;HAUS」

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    用途や気分に応じて、リビングや個室など場所を変えて使えるイメージです

最上位となるT75/Gの主な仕様は、CPUがIntel Core i7-8550U(1.80GHz)、メモリがPC4-19200 8GB、グラフィックがIntel UHD Graphics 620、ストレージが1TB HDD、ディスプレイは15.6型ワイドIPS方式広視野角Clear SuperView TFTカラー液晶(1,920×1,080ドット)、光学ドライブがBDXL対応BDドライブ、OSはWindows 10 Home 64bit。

ネットワークは1000Base-T/100Base-TX/10Base-T有線LAN、IEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth Ver4.0。主なインタフェースは、USB 3.0×2、USB 2.0×2、LAN(RJ-45)×1、HDMI出力×1。Webカメラは約92万画素。バッテリ駆動時間は約7.0時間(JEITA 2.0)。

本体サイズはW379×D258×H23.7mm、重量は約2.4kg。5月中旬発売予定で、市場想定価格は税別205,000円前後。

ミドルレンジのT55/Gは、CPUがIntel Core i3-8130U(2.20GHz)、メモリがPC4-19200 4GBとなるほかはT75/Gとほぼ同様。T55も発売は5月中旬を予定し、市場想定価格は165,000円前後です。

エントリーのT45/Gは、CPUがIntel Celeron 3865U(1.80GHz)、メモリがPC4-17000 4GB、グラフィックスがIntel HD Graphics 610、光学ドライブがDVDスーパーマルチとなるほかはT55/Gとほぼ同じ。4月25日発売予定で、市場想定価格は135,000円前後となります。

なお、顔認証センサーはT45/Gのみ搭載せず、引取修理や海外保証の対応期間もT75/GとT55/Gは2年、T45/Gは1年となります。

  • 東芝、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」

    T75/Gの正面。本体下部正面のフロントスピーカーが目を引きます

  • 東芝、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」

    T75/Gの右側面。ブリッジメディアスロット、USB、HDMI出力。本体周囲のインタフェースはT75/G、T55/G、T45/Gすべて同様です

  • 東芝、15.6型ノートPC「dynabook Tシリーズ」

    T75/Gの左側面。LANコネクタ、BDドライブ、USB、ヘッドホンマイクジャックなどが並びます