―― こうしたサービスに対するお客様の反応はいかがですか

森島氏 2つの側面で評価いただいています。1つは事業の成長が実感できること。AdWords を通じて、問合せの件数やどれだけ新規顧客の獲得をできたかが見える化できます。もう1つはGoogle AdWords キャンペーンの結果を、詳細なレポートとして得られることです。顧客の属性や広告効果といったデータを分析でき、新たなインサイトを得て次の施策を打てます。AdWords を利用されたことのないSMBの御客様に、レポートなどを見ていただくと、出来ることの範囲の広さに驚かれます。

その他、Google マイビジネスにご自身のビジネスを登録すると、グーグルのローカル検索などに地図やお店情報を無料で表示できます。現在は、飲食店や美容系のサロンなど店舗を持つお客様を中心にご利用をいただいていますが、Webサイトを自前で構築し、定期的に更新するよりも手軽に情報を発信できるといったメリットがあります。

また、Google マイビジネスのページにユーザーがどの経路で閲覧したのか、どの地域からの訪問者が多いか、どんな写真に興味を示したのかといった集計データが可視化されます。また、クリック数、電話での問い合わせ件数、リスティングの表示回数などもグラフ表示できます。こうした機能は、すべて無償で提供されます。

言葉で説明するよりも、実際にデータやレポート画面をお見せすると「こんなことがわかるのか」と驚かれる。こうした効果をきちんと伝えていきたいですね。

―― モバイル利用への対策を聞かせてください

森島氏 多くのお客様はWebサイトを更新したタイミングでモバイルに最適化されます。モバイルの利用率は急伸し、飲食店などでは(ユーザーが出先で検索するといった)使い方の親和性が高い。モバイルからアクセスするユーザーは、(PCサイトを利用するユーザーと比較し)"我慢の度合い"が違います。欲しい情報を自分で探してドリルダウンをせず、情報を得るステップが短いのが特徴です。

Googleは、モバイルの読み込み速度とパフォーマンスを測定できるサイトを公開しています。また、同サイトではモバイルのUX(User eXperience)やUI(User Interface)をスコア化し、レポートする機能を提供しています。

―― キャリア形成の中で、仕事に対するモチベーションは大きな割合を占めます。現在のお仕事のやりがいは何でしょうか。

森島氏 以前、大規模企業を対象にしたB2Bマーケットを担当していた時には、「グーグルが顧客企業にとってどのような価値を提供できるのか」を常に考えていました。お客様にとってはグーグルが単なるメディアプラットフォームではなく「イノベーションを起こすためのパートナー」と位置づけて欲しいと思っていました。

一方、SMBのお客様は、地域密着型のビジネスをされている方が多い。ですから、独自の商習慣や商圏のコミュニティを確立されていますが、ビジネスの成長はまだまだ伸びしろがあると感じています。

こうしたお客様は、AI(人工知能)や機械学習といった最新技術を独自に開発することは難しいかもしれません。しかし、グーグルのサービスを利用することで、最新技術にアクセスし、ビジネスを成長させることができる。そのポテンシャルを最大化するお手伝いができることは、私にとって大きなやりがいです。

先述したとおり、今一番の課題はSMBのお客様に「初めの一歩を踏み出していただく」こと。「最新の技術を受け入れて、アクションを起こして頂くためにグーグルは何ができるのか」を日々考えています。