シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは、尿沈渣検査用の尿中有形成分分析装置「Atellica UAS800(アテリカ ユーエーエス800)」の販売を、4月2日より開始することを発表した。
尿検査には主に、尿試験紙を用いた尿定性検査と、顕微鏡で観察する尿沈渣検査がある。顕微鏡検査は熟練した技術が必要であるなど業務負担が大きいため、顕微鏡検査に回す件数を減らすことを目的として、大規模病院をはじめとする多くの病院や施設で尿沈渣の自動分析装置の必要性が高まっている。
今回発売される尿中有形成分分析装置 Atellica UAS800は、検体を入れると自動で撹拌・遠心を行い、キュベット内の尿中有形成分をデュアルフォーカス機能を用いて撮影する。赤血球、白血球、扁平上皮細胞、非扁平上皮細胞、病的円柱、硝子円柱、細菌、結晶、酵母、粘液糸、精子の11の主要成分を、機器のライブラリー機能により自動で判定・カウントし、鮮明なデジタル画像と共に判定結果を報告する。
尿沈渣分析を行いながら画面上で測定できるため、鏡検数の減少に貢献することが期待される。また、消耗品はキュベットのみのため、試薬の補充や廃棄作業も簡易で、メンテナンスも毎日5分以内とワークロードが少なくて済むのが特長である。
また、同製品は、尿中有形成分分析装置として単体での検査運用も可能だが、同社の尿定性検査用の尿化学分析装置「クリニテック ノーバス」と組み合わせて、全自動尿統合型分析システム「Atellica 1500(アテリカ 1500)」として運用することも可能。Atellica 1500は定性検査と尿中有形成分の測定までを完全に統合できるうえ、1時間に106検体を扱う高速処理能力を有し、尿検査のワークフローの改善および検査コストの削減に貢献する。すでにクリニテック ノーバスを単体で導入している施設においても、アップグレードキットを導入することでAtellica 1500として利用できる。