――D850を手にしたファンは、どのような点を評価しているのでしょうか。

上村氏:D850は有効画素数4575万画素と高画素でありながら高速連写が可能ですし、高感度性能も優れています。単に高画素なだけではないバランスのよさが評価されていると感じます。

販売開始から半年近くが経ち、多くのユーザーからさまざまな意見をいただくことも増えました。なかでも「使いやすい」と評価されることが多いですね。D850はD810よりも重たくなっていますが、グリップの形状を見直して持ちやすさを高め、重さを感じにくくしています。そのことが使いやすいと評価される要因の1つになっているのではないでしょうか。もちろん、背面液晶をチルト液晶にしたり、主要な操作ボタンにイルミネーション(バックライト)を設けるなど、使いやすさを高める工夫も随所に盛り込みました。

――どの機種からの買い換えや買い増しが多いのでしょうか。

上村氏:まだしっかりした集計を実施したわけではありませんが、D800(2012年3月発売)やD800E(2012年4月発売)をお使いの方が多く購入されているように感じます。D810(2014年7月発売)から買い換えられた方も、少なからずいらっしゃいますね。

――マルチパワーバッテリーパック「MB-D18」の売れ行きはどうでしょうか。

上村氏:正確な数字は申し上げられませんが、国内ではD850を購入された方のおよそ3割ぐらいが購入を検討されているのではないかと感じます。これまでのD800シリーズと比べると、断然高い割合なのは間違いありません。

  • マルチパワーバッテリーパック「MB-D18」(実売価格は税別50,000円前後)を搭載すると、連続撮影速度が7コマ/秒から9コマ/秒に高まる(Li-ionリチャージャブルバッテリー「EN-EL18b」(別売)使用時。EN-EL18bを使用する場合はバッテリー室カバー「BL-5」(別売)が必要)

今までのグリップはバッテリーの持ちがよくなるだけでしたが、MB-D18は連続撮影速度が最大約9コマ/秒に向上するメリットがあります。45メガを超える高画素モデルでも秒間9コマで撮れるようになる、というほかにはない点をご評価いただけたのではないかと思います。

高画素は特に風景撮影で好まれますが、風景写真でも鉄道などの動いているものがあると連写性能が求められます。そのような撮り直しの利かないシーンでの撮影を楽しむ人に、45メガの高画素と秒間9コマの高速連写が響いたとみています。

――最後に、改めてD850をアピールしていただければと思います。

上村氏:D800シリーズをご愛用いただいている方の声を真摯に聞きながら改良していったのがD850です。ニコンの一眼レフではファインダーの倍率がもっとも高く、のぞいたときの驚きや心地よさを感じていただけるはずです。最初に手にした時の驚きだけではなく、使うごとに満足度が高まるカメラに仕上げました。ぜひお試しいただければと思います。

(撮影/三井公一)