江戸時代には、左右の手と脚を同時に進める"難波走り"という歩き方があったと言われるが、身についた歩き方ひとつとっても、他人とは細かい部分で異なる。三菱総合研究所とMoffは、手足の角度を計測する3つのセンサーバンドでリハビリテーション効果を計測するサービス「モフ測」をスタートした。病院や診療所、老人保健施設などの医療・福祉施設をおもな対象としている。
Moff社は、3次元動作認識技術とウエアラブルデバイス「モフバンド」を用いて、楽しく持続的なヘルスケアサービス作りを目指すIoTスタートアップ企業だ。公式動画ではセンサーと連動して動きを計測し、リアルタイムにダッシュボードで可視化できる様子がうかがえる。
バンドを着けたら数秒という手軽なセットアップで計測できる項目は、歩行動作(歩行時間、体幹のふらつき、腿や膝の角度変化の計測・比較、10m歩行やTUG:Timed Up&Go Test記録)、静止バランス(静止時の体幹のふらつきの計測・比較、片脚立位の記録)、全方位ミラー(腕の動きのリアルタイム3Dモデル表現・比較)、ROMチャレンジ(関節可動域のセルフチェック、時系列表示)など。
三菱総合研究所は、同社の中期経営計画2020年で日本の課題を技術革新で解決していくというビジョンに基づいてポートフォリオを示しているが、ヘルスケア・ウエルネスの分野も"事業の芽"として掲載している。ブロックチェーンやAIなど先端技術とともに、健康経営支援のためのサービスや実証実験を実施している。人類史上類を見ないスピードとも評される日本の高齢化社会では、健康や運動に根ざしたサービスの需要が高まることは必須な状況とも言える。
両社は昨年よりリハビリテーションにおける3Dモーションキャプチャデバイスの応用について、奈良県立医科大学リハビリテーション科、三仁会あさひ病院と共同研究を行っており、研究の成果を踏まえて「モフ測」を開発。11月より複数の医療機関で機能の検証や活用の実証実験を継続している。