しかし、成長の柱が「セーフティ」一本足打法となっている点は懸念材料だ。

「2020 中期経営計画」では、事業ポートフォリオを、「改革」と「堅守」「成長」の3つに分類し、「改革」に位置づけられるテレコムキャリア事業、エネルギー事業は、事業構造改革によって収益性を改善。「堅守」とするICTサービス事業、社会インフラ事業、プラットフォーム事業については、サービスモデルへの変革を推進するとしたが、「成長」は今のところ、セーフティ領域しか当てはまる事業が見当たらない。

「成長領域では、総花的な投資をするのではなく、グローバル市場においてカテゴリーリーダーになれる領域へと投資し、将来的には数1000億円の売上げ規模となる事業の確立を目指す」とするが、これがセーフティ一本では心許ない。セーフティ領域は成長分野だが、競争が激しい分野でもある。NECならではの顔認証技術という強みはあるものの、NECがセーフティ領域ですべてのピースを所有しているわけでもない。

セーフティで圧倒的ともいえるポジションの確立はもとより、いかに「セーフティに続く新たな成長領域を創出するか」が大切だ。NECは、ピーク時比較で売上高が半減している。国内大手電機8社中8位のシャープが急激に業績を回復し始めたいま、NECの足踏みが続けば、ここ数年でNECが8位に転落する可能性すら出てきた。

「2020 中期経営計画」は、成長戦略ではなく、次の成長に向けた基盤固めの戦略が軸になる。国内人員の削減にまで踏み出した「2020 中期経営計画」は、今度こそ、やり抜かなくてはならない。