クラウディアンは3月6日、オブジェクトストレージ製品「CLOUDIAN HYPERSTORE」の販売を加速するため、米シスコが出資するDigital Alphaとの合弁会社経由で1億2500万ドル(約135億円)の資金調達を発表した。

今回、調達した1億2500万ドルのうち2500万ドル(約27億円)は米Cloudianへの出資であり、販売、マーケティング、エンジニアリング、およびユーザーサポート組織の拡大に活用する。

また、最大1億ドル(約108億円)は、HYPERSTOREをコンサンプション(消費)モデルにより、合弁会社経由でユーザーが調達するための設備ファイナンス資金に充当される。

HYPERSTOREは、数十TB程度の小規模から始め、データの増加に合わせてペタバイトを超える大量のデータを保存できるストレージを構築するためのソフトウェア製品(Software Defined Storage)。

ハードウェアには標準的で汎用的なサーバを複数使い、HYPERSTOREソフトウェアが統合制御し、1つのストレージシステムを構築できるという。ソフトウェア製品に加え、あらかじめハードウェアとセットにしたHYPERSTOREアプライアンス製品としても販売している。

昨今、IT分野では設備投資よりも需要に合わせて必要量だけ使い、購入できるITサービスへの要望が高まっている。パブリッククラウドは、このようなニーズに応えるサービスを提供しているが、多くの企業では処理性能、機密保持、経済性などの理由から、全データをパブリッククラウドに移行することができず、オンプレミスのデータはパブリッククラウドサービスのメリットを享受できていないという。

今回のジョイントベンチャーを通じて設備ファイナンスを活用するコンサンプションモデルを導入することにより、ユーザーはHYPERSTOREアプライアンスをPay-per-use(使う分だけの支払い)で調達でき、オンプレミスもパブリッククラウドサービスと同様になる。

なお、コンサンプションモデルの具体的な提供条件は、2018年半ばに発表を予定しており、Digital Alphaは戦略的協業契約を締結している米Cisco Systemsとクラウディアンとのパートナーシップを支援するという。