プライム・ストラテジーは3月6日、デジタル・ヒュージ・テクノロジーと連携し、プライム・ストラテジーが提供する高速性を特徴とするCMS実行環境「KUSANAGI」」がPostgreSQLに対応した「KUSANAGI for PostgreSQL」の提供開始を発表した。
「KUSANAGI」はこれまで、Webアプリケーションの処理にすぐれたデータベース「MariaDB」をベースとしてきたが、今回、新たにPostgreSQLのサポートを開始した。
「KUSANAGI for PostgreSQL」はKUSANAGIのコマンドによるCMSなどのprovision時に選択可能なデータベースとして認識されるように組み込まれている。pgbenchによるベンチマーク結果によると、書き込みに対するパフォーマンスが約5.3倍向上、読み取りに対するパフォーマンスが約8.5倍向上と、通常のPostgreSQL環境に比べておよそ6倍の高速化を実現しているという。
Webアプリケーションを使用したパフォーマンスについては、Drupal8を利用した場合、約10倍のパフォーマンス向上が計測されているという。さらに、KUSANAGIのページキャッシュ機能(FastCGIキャッシュ)を有効にすると、約680倍のパフォーマンス向上が計測されている。
プライム・ストラテジー 代表取締役の中村けん牛氏は、「PostgreSQLは基幹システムに適したデータベースであるため、KUSANAGIをPostgreSQLで使おうとすると、スピードがボトルネックとなり、特徴を生かせない可能性があった。今回、PostgreSQLのノウハウを持つジタル・ヒュージ・テクノロジーと連携することで、KUSANAGIの高速性を生かせる形で、PostgreSQLのチューニングに成功した。これまで、KUSANAGIはWordPressを高速にするという形で利用されてきたが、PostgreSQLに対応したことで、KUSANAGIを基幹システムの高速化に利用する可能性が出てきた。これを、基幹システムに参入する契機としたい」と語る。
また、デジタル・ヒュージ・テクノロジー 代表者 鵜川徹氏は、「われわれは設立以来、オープンソースソフトのビジネスを手掛けてきた。PostgreSQLには20年以来、関わってきた。昨年10月に発表した『DHT DBマイグレーションサービス』では、KUSANAGIを採用した有料データベースからPostgreSQLへの移行も扱っている」と話す。
プライム・ストラテジーの顧問、BOSSCON-JAPAN代表理事を務める吉政忠志氏は、「近年のOracleデータベースのライセンス料の値上げに伴い、PostgreSQLへの移行が進んでいる。OracleデータベースをPostgreSQLに移行する際にKUSANAGI for PostgreSQLを活用すると、ユーザーはコスト削減とパフォーマンス改善を両立できるのではないか」とコメントしている。