日本の食文化に対する関心は高い

従来の地域おこしにおいては、神社・仏閣をはじめとして地域における観光資源と呼ばれるものや食べ物、飲み物がそれぞれバラバラに取り上げられていたと思われる。それらを組み合わせることで、相乗効果を発揮させるのがガストロノミーツーリズムだ。

数年前にアジアからの観光客による爆買いが話題になったことは記憶に新しいが、当然ながら、売っているモノだけが日本の魅力ではない。また、日本の食といっても、高級料理店をターゲットに来訪する人も、実際のところそれほど多くはない。

  • ガストロノミーツーリズムシンポジウムのスライド

    海外からの旅行客が最も関心を持っているのが日本の食だ

日本にはまだまだ多くの観光資源が眠っている。海外からの観光客を待つまでもなく、日本の旅行客の中にも、「体験型」や「食文化」に興味を持ち、訪問先を探している人は多いだろう。

ガストロノミーツーリズムの概念を取り入れることは、地域の人達にとっても、自分が住む場所の魅力を再発見することにつながるのではないだろうか。そして、食文化を中心とした本当の意味における町づくり、地域創生につなげることもできそうな気がする。今回のシンポジウムに参加し、地域の魅力づくり、そして新しい価値づくりのヒントとして、この「ガストロノミーツーリズム」という切り口が有効かもしれないと感じた。