SAPジャパンとブレインパッドは、ヤフーの「Yahoo!プレミアム」会員向けサービス基盤強化に機械学習ソリューション「SAP Predictive Analytics」を導入したことを27日、発表した。
ポータルサイトYahoo!を運営する企業として展開するサービスも多く、ビッグデータが集まるヤフー。大規模なビッグデータが集まる同社では、それを支えるためのAI技術の開発や分析なども欠かせない。昨年11月には世界最速かつ高精度に予測するAI技術「AnnexML」をOSSとしてGitHubに公開、2月にはビッグデータとAI技術など先端の技術を掛け合わせた新規事業創出のための実証実験を本格的に開始している(リリース)。
ヤフーの有料会員サービス「Yahoo!プレミアム」の会員規模は約1,800万人にのぼる。従来分析者が手動で予測モデルを作成することで機械学習を用いた各工程を行っていたが、会員数が増加するなか基盤強化の機械学習ソリューション「SAP Predictive Analytics」の導入を決めている。ヤフー パーソナルサービスカンパニー長 田中祐介執行役員は、会員のニーズをスコア化したデータマート構築が自動化でき工数が4割程度削減できるなど運用面での負担軽減、マーケティングプロセスの効率化などに言及している。データが大きくなるとその分析のための業務効率化の必要性も出てくることがわかる。
機械学習やAIなどのデータ分析ソリューションを展開するブレインパッドのデジタルソリューション統括部 SAP & WPSグループ グループマネジャーである鬼頭 拓郎氏は、「SAP Predictive Analytics」導入により、現在平均で毎週1テーマで要件定義からモデル構築、実ビジネスへの投入を行っており、モデルの更新の自動化などが行われていることを明かしている。
「SAP Predictive Analytics」は、モデル構築から数値化を行うスコアリングまでSDKも備えた「SAP Predictive Analystics tools」をコアにレンジの広い環境での予測分析を提供。直接にデータベース操作を使わずにアップデートやデプロイなどモデル運営の自動化を図れ、ひとつの環境で数千のモデルを運用するような大規模な機械学習を提供する。