慶應義塾大学と日立製作所は2月5日、複数のセキュリティ対応チーム間で連携して迅速なインシデントレスポンスを実現する「分散型セキュリティオペレーション」の実証を行ったと発表した。

具体的には、実証環境を構築し、従来人手で行っていた「セキュリティインシデントの検知から専門チームに分析を依頼し、分析データの共有を開始するまでの処理」を自動化し、1秒以内に完了できることを実証したという。

今回、両者は新たに「分散型セキュリティオペレーション」構想を策定した。この構想では、特定のセキュリティ対応チームがすべてのインシデントレスポンスに関与するのではなく、クラウドプロバイダーなどの各組織にあるセキュリティ対応チームが自律分散的にインシデントに対処し、必要に応じて連携する。

「分散型セキュリティオペレーション」の中核技術の1つとなる「動的認証認可技術」の開発も行われた。

同技術は、情報収集や分析などのインシデントレスポンスに求められる機能を標準化し、各セキュリティ対応チームが持つ機能を互いにリアルタイムで確認できるようにした。

これにより、分析依頼や分析データ共有などの処理をどの専門チームへ委託するかを機械的に振り分けること(認可)を可能にするほか、関与する組織が新たに判明する度に、認可からデータ送受信組織間の承認(認証)までの一連の処理を自動的に行うことで、迅速なセキュリティ対策を実現する。

  • 「分散型セキュリティオペレーション」の特徴