mineo成長の鍵は「ファンファースト」戦略

MVNO市場における生き残り策としてmineoが打ち出したのが、「ファンファースト」戦略だ。mineoのファンを増やすことで、新規ユーザーの獲得と同時に既存ユーザーの長期利用を促していくものになる。

ファン重視戦略の中心にあるのが、コミュニティだ。オンラインコミュニティの「マイネ王」は会員が30万人を突破。オフラインでのイベントも開催し、mineoファンと直接ふれ合う機会を増やしているという。

ファンが増えることで、具体的にはどういう効果があるのだろうか。ユーザーからの問い合わせの1割には他のユーザーが返答しており、電話やチャットによるサポートを補完している。Amazonランキングでは「携帯電話・スマートフォン SIMカード部門」で3年連続1位に。解約率は約1.1%と2016年より低い水準で推移しており、新規ユーザーの4割近くが既存ユーザーの紹介で加入するなど、口コミも広がっているという。

他のMVNOにはない新端末として、「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」を発売することも明らかにした。MVNOにありがちな海外モデルの整備品ではなく、メーカー認定のルートから独自に調達した新品の国内版SIMフリーモデルとなっている。

  • アップルストアでは販売終了した「iPhone 7」のレッド色も

価格の面では、仕入れルートの関係でアップルストアより割高になっているものの、すでに販売終了したレッド色や256GB版を取り揃えているのは面白い。mineoから買うことで、端末代金と通信料金をまとめて払いたいニーズもあるという。

このようにmineoは、他社にはない施策を採り入れつつ、ファンコミュニティを成長エンジンとする独自の戦略を強化することで、淘汰の時代における生き残りを図っている。