NECは1月15日、GEデジタルとの提携により、電力、ガス、水道、交通などの社会インフラや製造業などの工場における産業制御システム向けの「OT(Operation Technology)セキュリティ・アセスメントサービス」と産業制御システム特有の通信に対応したGEの不正アクセス対策製品「OTセキュリティ・アプライアンスOpShield(オプシールド)」の販売を開始した。

NECは2016年にデジタル・トランスフォーメーションの加速に向けて、GEとIoT分野において包括的な提携を締結し、日本企業向けIoTソリューションの開発・導入・保守サポートをトータルに提供する体制を構築した。今回は、提供発表時に掲げた「IT・OTサイバーセキュリティ領域のソリューション開発」を具体化したものとなる。

OTセキュリティ・アセスメントサービスは、産業制御システムが稼働している施設に専任チームが赴き、現地で担当者へヒアリング・調査を行い、施設・システムの構成やシステム内で使われている機器・センサーおよび、それらの運用体制などに関し、産業制御システムのセキュリティ国際標準指標に基づいて総合的に評価を行う。

これまで、NECが提供してきた制御系セキュリティアセスメントサービスのノウハウとGEのノウハウをもとに、評価結果からリスク洗い出し、セキュリティポリシーの見直しや今後のセキュリティ強化提案、インシデント発生に備えた運用体制構築を支援する。

  • OTセキュリティ・アセスメントサービス フローイメージ

    OTセキュリティ・アセスメントサービス フローイメージ

一方、「OpShield」は産業制御システム特有の通信(プロトコルやパラメータなど)に対応。産業制御システムネットワーク内に流れる通信を監視し、サイバー攻撃特有の不審な動作を検知・遮断することで、産業制御システムのセキュアな運用を実現するという。

  • OpShieldシステム構成例

    OpShieldのシステム構成例

これらのサービス・製品により、社会インフラや工場の施設内の潜在的なセキュリティリスクを国際標準指標に基づき評価、NECのさまざまなソリューションを組み合わせたセキュリティ改善・強化提案を行い、セキュアな産業制御システム環境を実現していく。

価格はOTセキュリティ・アセスメントサービスが個別見積もり、OTセキュリティ・アプライアンス OpShieldが500万円から(最小構成の場合)、今後3年間で100システムの販売を目指す。