意地悪な質問の延長線上で……
最後に、音声アシスタントであるSiriおよびAlexaが、セクハラを許容するような回答をする場合があるとして、両者にそれを是正させるための署名運動が海外で盛り上がったのも、音声アシスタントが普及しつつある現在ならではの出来事と言えます。
あらゆる質問に答えてくれる音声アシスタントは、その作り込みの精度が話題になることもしばしばです。スマートスピーカーの発売直後も、わざと意地悪な質問を投げかけて音声アシスタントから面白い回答を引き出す、そんな記事があちこちで見られました。
今回問題になっているのは、そうした意地悪な質問の延長線上で、性的な質問を音声アシスタントに投げかけた場合、SiriおよびAlexaの両音声アシスタントは否定的な反応をするどころか、むしろ許容するような回答をする場合があることです。
スマートスピーカー黎明期ならではの課題
SiriおよびAlexaは、いずれも女性の声がデフォルト設定になっています。彼らは人間ではないためこうした質問で直接傷つくことはないにせよ、今後AIが進化していった際に現在の応答内容は好ましいとはいえず、早期に修正を行うべきというのが、署名活動を行っている発起人の主張です。
この署名運動は1月に入ってからも続けられており、定められた必要数を満たすのはほぼ確実な状況となっています。将来的にこの署名運動が、AIの未来を変えたと言われる日は来るのでしょうか。