Lenovoは1月9日、GoogleのDaydreamプラットフォームを採用したスタンドアロン型のVR (仮想現実)ヘッドセット「Mirage Solo with Daydream」とVRカメラ「Mirage Camera with Daydream」を発表した。今年第2四半期の発売を予定している。
WorldSenseを備えたVRヘッドセット
Daydreamプラットフォームのスタンドアロン型VRヘッドセットは、昨年5月にGoogleが開発者カンファレンス「Google I/O 2017」で開発発表した。採用製品の発表はMirage Soloが初。
従来のDaydream対応ヘッドセットのようにスマートフォンをはめ込むタイプは、手軽に、そして自由にVR体験を楽しめるが、VR体験の質が限られる。Oculus RiftやHTC ViveのようなPCに有線接続するVRヘッドセットでは高品質なVR体験を楽しめるが、デスクトップPCの場所に動きが制限され、またシステム全体のコストが高い。Googleはスタンドアロン型で、スマートフォン装着型とPC接続型それぞれの長所をバランス良く備えたVR体験を手頃な価格で実現しようとしている。
最大の特徴は「WorldSense」という位置トラッキング技術を搭載すること。自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM (Simultaneous Localization And Mapping)を長年研究してきた知識を活かし、「外部センサーを用いることなく、PCに劣らない位置トラッキングをモバイルデバイスで可能にした」とGoogleはアピールする。前後左右の移動はもちろん、身をかわしたり、よろめく、傾くといった体の動きも認識するので、目だけではなく、動きでもVRの世界に熱中できる。
Mirage SoloのSoCは、QualcommのSnapdragon 835 VR。メモリーは4GB。視野角は110度。VRヘッドセットを装着したまま全ての操作を行えるワイヤレスコントローラ「Daydreamコントローラ」が付属する。
コンデジを使うようにVRコンテンツを簡単撮影
Mirage Cameraはコンパクトデジタルカメラぐらいの大きさで、重さは139グラム。魚眼レンズを備えた13メガピクセル・カメラを2つ搭載、YouTubeが手がけた新しいVR動画形式「VR180」をサポートする。
VR180は、見たままの光景を180度の視野で視聴できる。周囲をぐるりと見わたせる360度に比べると視聴範囲が狭いものの、対応するVRコンテンツを容易に作成できるメリットがある。Mirage Cameraでは、スマートフォンのカメラやコンパクトデジタルカメラを使うようにVR180形式のビデオや写真を撮影できる。 360度カメラを使ったことがない人でも、すぐに使いこなせる。
ストレージとして16GBのeMMCを内蔵、microSDカード・スロット(最大128GB)も備える。撮影したコンテンツはWi-Fi経由でMirage Cameraから直接Google PhotoやYouTubeにアップロード可能。SoCはQualcommのSnapdragon 626で、メモリーは2GB。X9モデルを用いたLTE対応バージョンの提供も予定している。