自分で書いた文章をブラッシュアップするには、声に出して読んでみる、しばらく時間を空けてから再度目を通す、誰か別の人に見てもらう……などさまざまな方法があるが、実際には時間がなかったり頼める相手がいなかったりと、そうした作業が行えないこともしばしばだ。
こうした場合には、校正をサポートしてくれるウェブサービスが役に立つ。誤字脱字や変換ミス、ら抜き言葉や助詞の不足といった基本的な校正に始まり、漢字使用率のチェック、英数字やスペースの取り扱い規則の統一、人名を含めた固有名詞の表記チェック、冗長表現のチェック、登録商標の確認に至るまで、自力では難しいさまざまな文章校正が、限られた時間内で手軽に行える。今回はこうした日本語文章のブラッシュアップに役立つ、お助けサービスを7つ紹介しよう。
なおこれらはいずれもウェブサービスであるため、その多くは入力したテキストデータをクラウドにアップロードすることになる。プライベートなテキストであれば自己責任で構わないが、会社内で扱う非公開文書や個人情報を含む文書については、これらのサービスを使うのではなく、Wordの校正機能やJust Right!など校正専用もしくはそれらの機能を備えたソフトを使うなど、ローカルで完結する方法を工夫してみてほしい。
修正箇所がリスト化される「日本語校正サポート」
Yahoo! JAPANが提供するテキスト解析WebAPIを用いた校正支援サービス。修正すべき箇所はリスト化されたうえで、区分や問題の種別、さらには言い換えの例も表示されるほか、原文からはそれらの指摘に対してリンクが貼られるので、リストを見ながらのチェックのほか、原文を読みながらの確認も容易。
誤変換や表記ゆれを見つける「日本語校正サービス」
こちらもYahoo! JAPANのAPIを用いた校正支援サービス。誤変換、表記のゆれ、二重敬語などカテゴリごとのエラー件数をカウントできる。ログインしなくても基本機能は利用できるが、ログインするとファイル単位の校正に制限がなくなるほか、ホームページの校正、禁止文字や表記揺れの設定も可能になる。
チェック前後の文章を比較できる「Enno」
日本語のタイポ、スペースのエラー、誤字脱字、変換ミス、入力後の編集ミス、文字化けをチェックできるサービス。チェック前後の文章を左右に並べた状態で、エラーの箇所が黄色くハイライト表示されるのでわかりやすい。さらにエラーの箇所にマウスポインタを乗せることで、詳細な解説も表示される。
JTFの表記ルールに沿う「JTF日本語スタイルチェッカー」
入力した日本語の文章が、JTF(日本翻訳連盟)が提供している日本語標準スタイルガイドの表記ルールに従っているかをチェックできるサービス。外国語を翻訳するにあたっての表記ルールが中心だが、それゆえ英数字やスペース、記号類の取り扱いに強みを持ち、わかりやすい日本語の作成に重宝する。
文章の構成を解析する「小説形態素解析CGI(β)」
地の文と台詞の割合、カナや漢字の割合、平均文長、平均句読点間隔のほか、形態素解析により品詞や体言止め、倒置法の出現数などをチェックできるサービス。名称にもあるように小説の解析を目的としたサービスだが、ほかにない解析項目が多いことから日本語作成全般に役立つ。
漢字の使用率を割り出す「漢字使用率チェッカー」
指定したテキスト内で漢字がどのくらい使われているかチェックするツール。入力した文章に対して、全体の文字数、漢字数、漢字率を表示できる。英数字は除外されず総文字数に含まれるため、割合が不正確になる場合も。漢字の割合ごとの読みやすさにまつわる説明も掲載されている。
常用漢字かどうかを確認する「常用漢字チェッカー」
文書中に含まれている漢字が、常用漢字なのか、人名用漢字なのか、それ以外の漢字なのかを判別できるサービス。常用漢字でない漢字や人名用漢字以外が含まれていないかを簡単にチェックできるほか、学年別常用漢字もチェックできるので、小学校の特定の学年を対象とした文章の作成に役立つ。