ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、生産設備や機械に後付けするだけで、センサデータの収集から加工、分析、評価/判定までの一連のプロセスを容易に実現し、異常検知や予知保全に即時役立てることができる「AIユニットソリューション」の提供を開始したことを発表した。

  • AIユニットソリューション

    ルネサスが提供する「AIユニットソリューション」

昨今、生産設備や機械からデータ収集を行い、生産効率の向上に役立てようという動きは高まっている。しかし、センサで収集したデータをAIで解析した結果を用いて、機械を制御するまでには至っていないのが現状である。この時、通信遅延のため判定結果を機械制御にリアルタイムに活かせない、あるいは振動センシングなど大量のデータを送信する場合に、機械とサーバやクラウドとの間に広い帯域のネットワークが必要になるといった課題があった。

そこでルネサスは、工場のエンドポイントに位置する設備や機械に後付けすることで、データの収集、加工、分析(e-AI分析)、評価/判定といった一連のAI処理を、機械側で実現可能なAIユニットソリューションを開発した。

この新ソリューションは、「AIユニット」と呼ぶハードウェア開発のためのリファレンスデザインと、AI処理を実現するソフトウェアで構成されている。これによりユーザは、プログラミングをすることなくAIユニットに学習済みニューラルネットワークモデル(以下、学習済みモデル)を、1日程度の短期間で組み込むことが可能になるため、異常検知や予知保全などに即時活用できる。

また、サーバやクラウドと通信することなく、リアルタイムにAIの判定結果を機械へフィードバックするため、異常検知や予知保全の精度が高まり、生産性が大幅に向上する。また、データ量の多い振動センシングなどを実施する際にも広い帯域のネットワークは不要となる。

なお、11月29日〜12月1日に東京ビッグサイトで開催される、オートメーションと計測の先端技術総合展「SCF2017」の同社ブース(西4ホールブースNo.4-88)おいて、この新ソリューションのデモ展示を行う。