ソフトバンクロボティクスは、同社のコミュニケーションロボット「Pepper」を使った新たな取り組みや、米Brain Corporationの清掃ロボットなどについて発表した。ロボット事業はソフトバンクが掲げる30年ビジョンの中核の一つだ。

ソフトバンクロボティクスの新たな取組みとは?

ロボット事業はセカンドフェイズへ

発表会ではまずソフトバンクロボティクスグループの冨澤文秀代表取締役社長兼CEOが登壇し、同社のロボット事業が「第2フェーズに入った」と宣言。ソフトバンクグループやSoftbank Vision Fundが投資しているロボット関連技術を持つ企業の中からBrain Corporationとの取り組みを新たに始めると発表した。

続いてソフトバンクロボティクスの吉田健一事業推進本部長から、Pepperに関する具体的な取り組みについての説明が行われた。Pepperは2015年10月に法人向けの「Pepper for Biz」が発売されて以来、これまでに約2000社に導入されている。

同社はPepperの活用について、初期の物珍しさによる客寄せをレベル1、業務の自動化をレベル2と定義しており、今後はレベル3として、AIとデータを駆使したさらなる業務効率化、業務改善へと進んでいくとした。

業務の自動化・無人化への貢献が進んでおり、AIを駆使してさらなる効率化を進めていくフェイズへと進化している

その実例として、ホームセンターの「グッデイ」ではGoogleの音声認識と商品データベースを連動して商品場所の案内を行っていること、イオンモールではIBM Watsonと連動して、チャットボットを使った顧客対応を行なっていることなどを紹介。こうした業務向けのアプリケーション開発用ソリューションとして11月30日から「お仕事かんたん生成2.0」をリリースする。10業種・業界向けに100パターンのテンプレートが用意されるほか、Microsoft Azureによる顧客のデータ分析が可能になり、Pepper自身の反応も高速化しているという。Pepperによる顧客業務を数値化して分析することでオペレーションの最適化を実現できるわけだ。

「お仕事簡単生成2.0」は業界別テンプレートを駆使して素早くPepperのカスタマイズが可能になる

またPepper for Bizユーザーの業界別コミュニティ「パイオニアクラブ業界別研究会」も立ち上げ、業界ごとに事例やKPIを共有し、テンプレートの発展などに寄与していく。さらに業界別に業務活用アワードを設立し、表彰企業は特典として北京で行われる世界ロボット大会のツアーに招待する。

業界内団体による研究会を企画することでテンプレートの改良など業界ごとの最適化を進めていく