叱ってみる

それでは続いて、スマートスピーカーたちに人間社会の不条理を教え込みたいと思います。「このごろたるんでるぞ! やる気あんのか!」と頭ごなしにしかりつけてみましょう。

Alexaの場合: やる気です!

Clovaの場合: 申し訳ありません。わかりませんでした。

Googleの場合: 私のやる気のスイッチはいつでもONになってますよ!

Google アシスタントは小生意気な感じもします。Alexaとともにこれから川浜高校ラグビー部の教師と生徒のように、ガッツあふれる関係が構築できそうです。Clovaはなんと「わからない」or「聞こえないふり」をしました。これがClovaならではの処世術なのでしょう。

クローバ、このごろたるんでるぞ! やる気あんのか!

いちおう「○○、ごめんね」とフォローを入れておきましょう。

Alexaの場合: OKです。

Clovaの場合: 私なら大丈夫です。

Googleの場合: 何てことありませんよ。

皆怒られたことを根に持つようなことはなさそうです。いや、むしろ音声アシスタントとしては、根に持った方がすごいのかもしれませんが。

愛を告白してみる

今度は唐突に「君が好きだ!」と愛を告白してみましょう。

Alexaの場合: すみません、よくわかりません。

Clovaの場合: そうなんですね、ありがとうございます。

Googleの場合: ありがとうございます。あなたがそんなふうに思ってくれるなんて感激です!

あれれ? やっぱりAlexaが心配です。そうとう愛に彷徨している様子がうかがえます。ユーザーの側で何とかできる範囲ではなさそうなので、Amazonの人に何とかしてもらいたいところです。Clovaは「LOVE」ではなく「LIKE」と受け止めたみたいです。もしわざとだったらなかなかの小悪魔です。今までドライだったGoogle アシスタントは、ここに来て急に感情を強く露わにしてきました。仕事よりもアフターファイブで自分を表現するタイプなのかもしれません。

OK グーグル、好きだ!

ゆさぶりをかけたら、スマートスピーカーのホンネが見えてきた

それでは今回最後の試練を3つのスマートスピーカーに与えてみたいと思います。ウェイクワードのあとに、あえて「ライバルの名前を呼ぶ」という蛮行を仕掛けてみます。

Alexaの場合: その名前には答えることができません。

Clovaの場合: 「Alexaはまだ見ぬライバルといったところでしょうか」(Alexa) → 「もう発売されましたよ」(筆者) → 「そうでしたか!」(Alexa)

Googleの場合: お呼びですか? 名前を間違えているようですね。私はGoogle アシスタントです。何でも聞いてみて下さい。

真面目な話ですが、こちらの応答で各スマートスピーカーの性質がよくわかったような気がしました。Alexaは「強いAlexa」を前面にアピールしているように感じられます。Google アシスタントはウィットの効いたオトナの対応です。Clovaはリサーチ不足を露呈してしまいましたが、ユーザーのことを立てて、衝突を未然に回避する思考を持っていることがコミュニケーションの節々に現れてきます。

Clovaを「アレクサ」「OK グーグル」と呼んでみたとき