2017年11月9日、AOSデータは2017年の新製品発表会を開催した。発表会では、ファイナルランサムディフェンダー、プライバシーディフェンダー、AOSBOX Intelligentなどが紹介された。本稿では、ターミネータデータ完全抹消 クラウド、ファイナルパソコン引越しenterpriseについて紹介したい。最初に登壇したのは、AOSデータ代表取締役社長の春山洋氏である。
春山氏は、AOSデータおよびAOSグループの会社概要や製品の位置付けなどを紹介した。さらに、新製品のコンセプトなどを解説した。
春山氏の講演では、AOSデータが従来の個人向けの製品から、エンタープライズ向けに大きく舵を切ったことも述べていた。現状を踏まえた賢明な判断ともいえるだろう。今後のAOSデータの動向にも注目したい。
法人向けデータ完全抹消ツール - ターミネータデータ完全抹消 クラウド
続いて、執行役員CIOの内山勇二氏が登壇し、ファイナルランサムディフェンダー、プライバシーディフェンダーの紹介を行った。
最後にターミネータデータ完全抹消 クラウドの紹介となった。AOSデータでは、個人・SOHO向けに、ターミネータ10plus データ完全抹消を提供している。基本的な機能は同じで、PCのHDDやSSDのデータをOSごと完全抹消する。普段の操作では、フォーマットでデータ消去を行う。しかし、それだけでは、データは完全に消えていない。復元ツールなどで復旧が可能な状態である。
ターミネータデータ完全抹消 クラウドでは、データの完全抹消機能に加え、抹消作業の確認や抹消履歴などをクラウドベースで統合管理する機能が追加された。
また、抹消方式にSSD用が追加され、11種類となった。使用方法であるが、まず、管理用のPCにターミネータデータ完全抹消 クラウドをインストールし、メディアクリエータツールで、起動用のUSBメモリ、もしくはCDを作成する。
このUSBメモリで起動し、完全抹消を行う。
抹消が完了すると、レポートが作成される。
図8は、レポートの表示・保存、ライセンスの管理、抹消状態などを統合管理するダッシュボードである。
ターミネータデータ完全抹消 クラウドが想定するユーザーは、社内PCが500台以上で、年間約100台の抹消を行う規模である、また、リサイクル事業者では、年間約1万台のPCを処理するレベルとなる。注意すべきは、RAIDでは、いったん解除して個々のHDDを行う必要がある。また、ライセンスは抹消完了後に消費される。
インターネット接続していないPCに対しては、起動用のUSBメモリを介してライセンスの消費が行われ、レポートもUSBメモリを経由する。