- Weaving The Light -「光を編む」、未来の光源がつくる明かりと空間

エコソリューションズ社デザインセンターの展示。直進性と効率性に富むレーザーを通したファイバーを編んでディスプレイし、RGBカラーをプログラム制御して一日の太陽光の変化を繊細に表現しています。空間に新たな価値をもたらす明かりのデザインです。

明かりをデザインするディスプレイ

両側からレーザーを通した0.9ミリのグラスファイバー16本を編んだディスプレイ。朝焼けから夕焼けまで、一日の空の色の変化を模した光は、RGBデータをプログラム制御しています。将来的には、ホテルのロビーや公共施設、また住宅のダイニングルームのペンダントなどへの展開が期待されています。

- Next Humanity - 2030年の人間らしい暮らし

従来は、商品自体の使いやすさ、労働力や時間節約を重視してデザインを考えてきたデザイナー。ですがこれからは、商品全体で捉えながら、IoTの利点も含めた暮らしのデザインまでを行う必要があります。そこで、2030年の東京の暮らしを描いた家電のコンセプトモデルを展示。ビッグデータやIoTなどの技術を取り入れ、ひと本来の「人間らしさ」を高める暮らしをデザインしています。

「Feast-どこでも宴になるくらし」

どこでも給電できるテーブルクロス。効率化されてきた食事の場を、さまざまな人がつながる新たなコミュニケーションの場としてデザインします。

「Drip-やさしく世界と繋がるくらし」

ビッグデータとつながるプロジェクター。画像認識で感知した「もの」に関連した情報を表示します。記憶や生活情報によって暮らしがどう変わっていくでしょうか。

「Bloom-健やかさを育むくらし」

健康状態に合わせて開花する「バイタルプラント」。デバイスやビッグデータとつなげて人間の健康状態を表示させることで、健康管理やコミュニケーションに活用します。現時点で可能な心拍数から、今後はAIや家電技術の進歩によって、さらに柔軟な情報活用ができると想定されています。

パナソニックデザインの名品たち

パナソニックは、1951年に日本初のインハウスデザイン室ができたメーカーです。アメリカ視察で刺激を受けたパナソニックの創業者、松下幸之助氏が自ら、千葉大学工業意匠学科講師の真野善一氏を招聘、3名で「宣伝部意匠課」を始めた時から考え方は同じです。白物家電を中心に、生活に根ざし、人々の暮らしをよくするデザインをしてきました。そうした100年の歩みを、立体表示で他の商品を紹介する「PRISMサイネージ」やLinkRayアプリによる当時のTV CM表示とともに振り返る展示です。

年代ごとに代表的な製品を展示。アプリをダウンロードすると端末で当時のTVCMを見ることができました

手前左が扇風機「20B1」、奥右が掃除機「MC-1000C」

扇風機「20B1」は、1952年、初めて宣伝部意匠課がデザインした商品です。それまでの技術重視の形状と異なり、ボタンの位置や使いやすさが重視されました。掃除機「MC-1000C」は、1965年にプラスチックを初めて採用。樹脂成形による、自動車の流線型を意識した形状と軽さで、掃除のストレスを軽減しました。

ちなみに、パナソニックの製品は過去84件がグッドデザイン賞を受賞。今年のベスト100にも5件が認定されており、「社会的課題をデザインで解決する取り組みが評価されたことの現れでは」と中村氏。短期間の展示ながら、過去・現在・未来からパナソニックデザインに触れることができる貴重な機会となりました。