かっぱ寿司は11月1日より全国の店舗で食べ放題「食べホー」を開始した。11月22日までの平日14時から17時までの期間・時間限定の食べ放題企画となる。表向きはアイドルタイムの解消が目的だが、背景を探ると実は深い理由があるのだ。
表向きはアイドルタイムの解消
かっぱ寿司の食べ放題は今年から始めたトライアル企画だ。食べホー開始までに複数回行われた。来店客が落ち込む平日のアイドルタイムの有効利用しようというのが大きな目的だった。
結果は良好。6月に開始した際は21店舗を対象に32日間で11万5765人、8月に開始した際は36店舗を対象に12日間で4万617人が利用した。ビジネス的には「どう考えても薄利な状態」(澄川浩太専務)とするものの、利益は出ているという。
この食べ放題企画、アイドルタイムの有効利用が目的と記したが、それは運営元のカッパ・クリエイトが掲げる第一義的なものである。傍から見れば、実はかっぱ寿司復活に向けての期待度が高いひとつの取組みとしか見えてこない。一体どういうことなのか。それを知るために少し時間を遡ろう。
味を知ってもらうために
かっぱ寿司はかつて回転寿司の王者だった。しかし、現在は売上規模で業界4位まで転落している。その理由は、かつての利益追求と厳格な原価管理により"味が落ちたから"とも指摘されている。そして、業績不振に陥り、紆余曲折を経て、結果的に3年前、運営元のカッパクリエイトはコロワイドグループの傘下に入ることになった。
以降、コロワイド傘下で再建を進めるにあたり、多方面で改善を図ってきた。ネタの品質向上については「生ネタは味付けするのではなく良い食材を最適なタイミングで仕入れる。子会社のバンノウ水産などのネットワークも活用して、味には強みを持っていると認識している。ネタの解凍時間を考慮したり、店舗での再現性の向上も含めて力を入れてきた」(澄川専務)と話す。