シャープが2017年12月1日に発売を予定する液晶テレビ「AQUOS 8K」(LC-70X500)を、気鋭の映像クリエイターが製作したオリジナル8K作品とともに体験するトークショーイベントが実施された(主催:KADOKAWA)。
AQUOS 8KことLC-70X500は、2018年12月に予定されている8K実用放送のスタートに先駆けて、シャープが世界で初めてコンシューマー向け製品として発売するテレビチューナー搭載の8Kテレビだ。発売日は12月1日。価格はオープンで、想定売価は100万円前後が見込まれている。
合わせて、2018年末にシャープが発売を予定している別売のチューナーを接続すると、8K/4K放送が見られるようになる。また、現在フルHDの解像度で放送されているデジタル放送や4K映像のコンテンツも、8K解像度にアップコンバート可能。8K放送が開始されるまでの間、通常の高画質&大画面テレビとしてリビングの主役になれるのが特徴だ。
この日に開催されたイベントには、シャープから世界初の8Kテレビ開発に関わったTVシステム事業本部 国内事業部 8K推進部長の高吉秀一氏、同事業本部 栃木開発センター 第2開発部長の高倉英一氏がゲストとして出席。
AQUOS 8Kの特徴を解説した高吉氏は「最近はアマチュアの方でもデジタルカメラで8K相当の高品位な静止画を撮影できる時代。デジタルイメージングの先端を行くメーカーも8K対応の民生用デジタルカメラの開発に着手したと聞く。これから生まれる新たな8K関連のニーズに、AQUOS 8Kがいち早く応えたいと考えて開発した」と振り返った。続いて高倉氏も、「フルHD解像度のブルーレイディスクのコンテンツも、AQUOS 8Kならアップコンバート機能で高精細に楽しめる。購入後すぐに色んな楽しみ方ができるはず」と、家庭の即戦力になれるテレビであることを強調した。
この日のイベントはKADOKAWAからASCII.jp/週刊アスキー編集部の末岡大祐氏と、アイドルグループ・SKE48の松村香織さんのダブル司会が進行。シャープの両氏に「8Kテレビのスゴさ」はどんなところにあるのかストレートな質問をぶつけた。
高倉氏は「あたかも目の前に自然の景色が広がるような臨場感が得られること。もうひとつは被写体の実物感。当社で蝶の標本を撮影して8Kディスプレイに表示してみたところ、8K解像度があれば実物とほぼ同じ感覚が伝わってくることがわかった。『実物に近い映像』を実現することがテレビやディスプレイ機器のゴールだとすれば、私は8Kがひとつの到達点だと思っている。そこからさらに16Kへということにはならないだろう」と答えを返した。
続けて「8Kテレビが家庭でポピュラーになる日は来るのか?」と聞かれた高吉氏は、「8K時代は目前まで来ている」と切り返しながら、「来(きた)る2018年には4K、8Kの実用放送が続けざまにスタートする。2020年には大きなスポーツイベントもあるので、その時期に向けて普及が加速するとみている。8K/4K放送の本格化まで、実はもう1年しかないという意識を持って、シャープも真剣に商品開発に取り組んでいる」と、8K時代をリードする意欲をアピールした。