東京商工リサーチは、2016年度の上場製造業、1,270社の平均給与を調査した。それによると、上場製造業の平均年間給与は605万9,000円。上場企業2,718社の平均給与598万円を7万9,000円上回り、製造業が好調だったことを反映している。
平均給与のトップは、工作機械用NC装置で世界最大手のファナックで、1,318万3,000円となり3年連続のトップ。2位は第一三共の1,133万5,000円、3位はアステラス製薬の1,073万円、4位にエーザイの1,038万9,000円が続く。
工作機械用NC装置で圧倒的なシェアを獲得しているのがファナックの強み。IoTプラットフォームの提供にも積極的で、今後の業績にも期待が持てる。
目立ったのが、医薬品企業の躍進だ。前述のとおり2~4位までを医薬品企業が占めたほか、6位に武田薬品工業(1,015万1,000円)、9位に中外製薬(954万4,000)と、平均給与トップ10のうち、医薬品企業5社がランクインした。15位にも塩野義製薬、17位に田辺三菱製薬、19位に小野薬品工業と、医薬品企業が強さをみせている。
ただし、薬価改定や円高の影響で医薬品企業は、軒並み業績を落としている傾向にあり、今後、平均給与に影響を与える可能性がわずかだが考えられる。
一方、医薬品企業に続いてトップ10に多くランクインしたのが電気機器分野だ。レーザー顕微鏡や半導体関連装置のレーザーテックが5位(1,028万2,000円)、LSI製造・販売のアクセルが7位(1,011万6,000円)、制御システム・計測機器等の横川電機が8位(976万3,000)となった。1位のファナックを含め、電気機器がトップ10のうち4社が占めた格好だ。