新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHIは、2017年8月に鹿児島で行なった「水中浮遊式海流発電システム」の実証試験を完了したと発表した。実証機の水中姿勢を安定させるための自律制御システムの性能確認や設置および撤去工事の方法などのデータを取得したほか、実証試験に先立ち実施した曳航試験では、定格出力100kWの出力を達成したという。

鹿児島県・口之島沖での実証試験に向けた準備作業の様子

曳航試験は、7月25日から7日間、野間岬(鹿児島県南さつま市)沖の甑海峡にて実施された。船舶で実証機「かいりゅう」を曳航することで黒潮に模した水流を発生させ、海中での挙動の確認を行うもので、定格流速1.5m/秒で100kWの発電出力を確認した。

続いて、8月12日から7日間、内閣府総合海洋政策推進事務局の海洋再生可能エネルギー実証フィールドに選定された鹿児島県十島村口之島沖の黒潮海域で、実証試験を実施。水深約100mの黒潮海域で実証機の設置・撤去工事の施工・検証を行った。また、発電に関しては、実際の黒潮の流れの中で、水深約30~50mに浮遊させた実証機を、自律制御システムによって姿勢や深度を制御しながら、最大30kWの発電出力を確認し、発電性能や浮体の安定性の検証などの試験を完了した。

実証試験の結果、実証機が想定どおりの性能を発揮することを確認したほか、発電性能だけでなく、海流特性や設置・撤去工事手法の精査などを含めて今後の実用化に向けて必要な実海域での試験データを取得できたということだ。

実証試験の場所 (出所:NEDO 海洋エネルギーポータルサイト(左)、会場保安庁 海洋台帳(右)

実証試験の装置構成

なお、今回の実証試験の結果を受け、IHIは、得られたデータを今後の研究開発に活用し、海流エネルギーを有効かつ経済的に利用する水中浮遊式海流発電システムを2020年以降に実用化することを目指すとしている。