一方、ビジネスプロジェクターにはベーシックモデルが追加され、性能の違う全7機種を用意。これらのモデルは明るさが3,200~3,600ルーメンで、あまり暗くない部屋でも明るく投影できる。上位モデルは高解像度がWUXGA(1920×1200)に対応した。例えばオフィスの会議で、細かい文字の記載された資料を投影するとき、資料を縮小表示してもスクリーン上で文字がつぶれにくい。高解像度のメリットがここにある。
担当者は「ニーズに合わせて、解像度や明るさなど性能の異なる製品を複数用意した。会議の効率化に役立ててもらえたら」と話していた。
新規開拓はエプソンの努め
エプソン販売 販売推進本部の蟹澤啓明氏が登壇して、販売戦略を語った。日常のあらゆるシーンで、様々な場所で「映像」が流れる時代になりつつある。こうした背景を踏まえ、蟹澤氏は「エプソンでは独自の技術を活かしてビジュアルイノベーションを実現したい」と説明する。デジタルサイネージやスマートグラスなど、エプソンがこの分野に注力している製品は数多い。もちろん、この機会をプロジェクターの販売拡大にもつなげていきたい考えだ。
ビジネスプロジェクター、ホームプロジェクターの両分野における課題として、蟹澤氏は「ビジネス向けでは、ラインナップが拡充したことで最適な製品を選ぶ難しさが生じている。一方、消費者向けでは、プロジェクターに触れる機会が少ないため、購買につながっていない」と分析。前者ではニーズにマッチした製品の提供、後者は新規ユーザーの開拓を図っていく。
同社では一般の消費者に製品の魅力を伝える方法として、タッチポイントを増やす、レンタルサービスを行う、体感イベントを実施するといったほかに、住宅展示場などと協力した取り組みも行っていきたい考え。「住宅の購入、リフォームといった機会に、ホームプロジェクターを紹介する。実は過去にも行ったことがあるが、時期が早かった。近年、人々のライフスタイルが変わり、家の中の生活を充実させようと考える人が増えつつある。このチャンスに、もう一度トライしたい」(蟹澤氏)。
プロモーションのキーメッセージは、ビジネス向けは「プロジェクター選びの基準は、明解(明るさと解像度)」、一般の消費者向けは「ホームプロジェクターのある暮らし dreamio style」。
エプソンがプロジェクター製品の購入者にアンケートを実施したところ、「価格、明るさ、解像度」を重視して選んだという声が多かった。したがって、この基準に沿って製品の魅力を訴求していく。蟹澤氏は「エプソンのプロジェクターの販売目標は、今後1年間で17万台に設定した。お客さまの新規開拓など、トップメーカーであるエプソンの努めと自負している。これからも取り組みを強化していきたい」と話していた。