7月27日、日商エレクトロニクスが働き方改革の人事課題とIT課題の解決をテーマとしたセミナー「「儲けるための経営戦略!」働き方改革の人事課題とIT課題の解決セミナー」を開催。日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター エグゼクティブアドバイザーの小柳津篤氏が「26%の売上向上!儲けるための経営戦略 ~テレワークの誤解と成功手法~」と題した講演を行った。

日本マイクロソフト マイクロソフトテクノロジーセンター エグゼクティブアドバイザーの小柳津篤氏

「マイクロソフトは全員が本社に行かなくとも仕事が継続できることを何十回も練習している。結論だけいえば、何も困らない。すべての業務が実行できる。社会実験としてやろうと思えばここまで行けるというケースを紹介したい」と切り出した小柳津は、冒頭でマイクロソフトが創業以来成長し続けてきたことを紹介。取り扱い製品を増やし、事業領域やエコシステムを拡大したが、社員数だけは恣意的に増やしていないと語った。

MS-DOS時代には1人あたり20万ドル程度だった売り上げは、現在は1人100万ドルに近づいている。これを実現したのが生産性の向上だ。会社の業績がどうやったら上がるのか、どうすれば儲かるのかを追求した結果、生産性が向上。余裕のできた時間と人材をイノベーションに充当することで成長曲線を維持してきたのだという。そして、この取り組みこそが現在「働き方改革」と呼ばれているものだ。

拡大してきたマイクロソフトの商材や事業領域

1人あたりの生産性向上が企業成長を支えてきた

意思決定を高速化させる定量的データ

マイクロソフトにとって重要なプログラムとして小柳津氏が紹介したのが「Rhythm of Business」と「Flexible Work Style」という2つ。これらによって目指しているのは「早く決めて、早くやること」。多くの企業が目指しながら、実現できずにいる部分でもある。

「Rhythm of Business」と「Flexible Work Style」

「我々もまだ十分にできてはいないが、できないから仕組みが必要」と語った小柳津氏は、実際に利用しているという意思決定をサポートするシステムを紹介。「可視化」を重視し、社内からあらゆるデータを定量的なものとして集め、多彩な角度から分析できるように作られたシステムには、コメントがついていないのが特徴だ。

「昔はコメントで情報を集めていたが、集めるために時間がかかり、気持ちは伝わっても事実が伝わらない。簡単なことではないが定量的に見づらいものにもクライテリアは完了基準を定めてデータを集めることに10年取り組んできたおかげで、意思決定のスピードは別物になった。現在はAIを通すステップに進んでいて、一部の領域に対しては人よりも先にAIが判断し、それを人間がアジャストすればよい程度になっている」と「早く決める」を実現している仕組みの進化が語られた。