“働き方改革”が声高に叫ばれる昨今。その手法は様々なアプローチで試みられ、「ワークスタイル変革EXPO」会場でも様々なソリューションやサービス、プロダクトが展示されていた。本稿では、「目利き力」「技術力」「提案力」の3つの強みでICT環境に革新をもたらす日商エレクトロニクスブースをピックアップ。なかでも注目のRPA(Robotic Process Automation)ソリューションを中心にレポートしていこう。

日商エレクトロニクスブースでは、真剣に展示されたソリューションのデモをチェックしている来場者の姿も。それだけ“働き方改革”に注目が集まっている証と言えそうだ

RPAソリューション「交通費精算チェック自動化の業務改善サービス」の概要が記されたパネルボード

一連の業務プロセスの一部を自動化することにより、こと事務作業において大幅な業務効率化や生産性の向上が期待できるほか、人間では気を付けていても発生してしまう作業ミスを防ぐことが可能なRPA(Robotic Process Automation)。日々発生するルーチンワークからの脱却が狙えるため注目を集めているが、日商エレクトロニクスでは「交通費精算チェック自動化の業務改善サービス」と題して、思いの外煩雑でありながら企業内では、ほぼ確実に発生する業務を例にして示していた。

交通費精算のプロセスは企業ごとに異なるだろうが、交通費精算用のExcelファイルに「出発地:○○、到着地:××、往復:往路のみ、交通費:◇◇円」といった精算に必要な情報を記入。その後、印刷して上司の承認を得てから、経理部門で精算内容に不備がないかチェックを行う。このチェックに関しては、インターネット上の路線案内や乗り換え案内サービスを利活用して申告が正しいか、会社のレギュレーション(最安ルートを使用しているか等)から逸脱していないかを人力でチェックを行うケースもよく見られる。

これが、日々大量に発生するためチェック作業に割かれる時間は決して少なくないのだ。ここで費やされる時間を削減することができれば、それすなわちコスト削減に直結するというわけだ。デモンストレーションでは、Excelファイルから出発地や到着地、経由地や往復か否かといった情報、交通手段等を取得し、Yahoo! JAPAN路線情報で記載された交通費に相違ないかを自動的に処理していく様を観ることができた。もちろん、導入時に自動化させるプロセスをどうするか、経費精算で使用する書類のフォーマットをどうするかなどについては、相談の上作り上げていくことが可能とのこと。

ちなみに、この「交通費精算チェック自動化の業務改善サービス」の導入によって、社員数1,000人分の交通費精算チェック業務において毎月166時間分の人件費削減に寄与(日商エレクトロニクス調べ)したとのこと。そのほか、社員による交通費の適正化遵守、e-文書対応によるペーパーレス化で保管場所等に関する費用を削減する効果も期待できるという。

自動化されたプロセスが人力を超えた速度で動く様は圧巻。デモでは交通費精算だったが、決まったプロセス、定型化できるフォーマットと条件さえ合えば他の業務でもRPAの恩恵を受けることができそうだ

そのほか、日商エレクトロニクスブースでは、メンタルヘルスサービスや健康診断BPOサービス、社用車に専用のドライブレコーダーを装着し運行状況を把握・分析可能な「あんしんドライブ くるま-i」といったソリューションの提案も行われていた。

「このルーチンワークをRPAに置き換えることはできないだろうか」、「社用車を操る社員がしっかりと安全運転を行っているか気になる」といった思いをお持ちの総務経理担当者は、日商エレクトロニクスが得意とする「目利き力」「技術力」「提案力」を頼り相談してみるのもいいかもしれない。

クラウド型車両運行管理テレマティクスサービス"くるま-i"

車両に取り付けるドライブレコーダーにはカメラや各種センサに加え通信端末が内蔵されており、異常運転を検知すると異常運転時の動画や音声データを取得

PCやタブレットでそれらの映像が見られるほか、蓄積したデータから適切な運転指導等を行える