働き方改革を支援するデルの7つのメソッド

話が少し戻るが、このサテライトオフィスにデルが提供したPCは、ビジネスデスクトップPCの「Optiplex 7050」シリーズから、スリムタワー型のSFFモデル、マイクロタワー型のMTモデル、そしてVESAマウント対応の小型モデル「Optiplex 7040 Micro」だ。液晶ディスプレイは、43型4K「P4317Q」、27型4K「UP2718Q」など。メインの作業環境がAdobe Creative Cloudアプリケーションということで、ワークステーション「Precision」も候補だったが、各メンバーの普段環境と同じ一般的なデスクトップPCにしたとのことだ。

今回のお試しオフィスについて、デルは「在宅型」と「クリエイティブ型」にマッチする自社デバイスを提供

デルは現在、「働き方改革を支援するデルの7つのメソッド」にもとづき、環境整備と顧客提案を進めている。詳細はデルのWebサイトを見てもらうとして、従業員の業務と行動に適したデバイスを用意しましょうという考え方だ(全社員に対して画一的に同じPCを配布するのはNGとする)。例えば「デスク型社員」なら、高性能デスクトップPCと大画面ディスプレイ、「外勤型社員」ならモビリティ最重視といった具合だ。

働き方改革を支援するデルの7つのメソッド
(デルのWebサイトから)

「サテライトオフィスで求められるデバイスと環境は、どのようなものなのか。また、デバイスはどのような使われ方をするのか、鯖江市との取り組みを通じていろいろと試していきたい。お客様により良いデバイスと環境をご提供し、働き方改革の一助となれるように。それはデルにとっても、大きなビジネスチャンスです」(デル 常務執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部長・山田千代子氏)。

鯖江市の市長・牧野百男氏も、今回のおためしサテライトオフィス事業には大きな期待を寄せる。地方自治体の中ではIT戦略に一歩長ずる鯖江市だが、雇用、若者の流出、人口、空き家といった問題は大きい。多くの地方自治体がそうであるように、地元の高校生が都市部の大学へ進学し、そのまま就職して地元に戻らない……スパイラルが続く。

鯖江市の市長・牧野百男氏(写真左)、デルの山田千代子氏(写真右)

しかし牧野氏は、制作系に限らずクリエイティブな仕事が増えれば、また理想的には都市部の企業と同じ仕事、同じ条件(主に賃金や福利厚生)の雇用が増えれば、出て行った人たちが必ず戻ってくると信じている。働く側としても、可能なら地元に戻りたい、地方で仕事・生活したいと考える人は多いはずだ。

サテライトが可能な業務、不可能な業務はあると思うが、高速なインターネット回線とWeb会議システムがあれば、サテライト化できる仕事はけっこうあるはず。企業側のスタンスによるところが大きいので、より多くの企業が真剣に向き合うようになることを望みたい。

鯖江市内の3Dプリンタで作ったという、「牧野百男」にちなんだ「100メガネ」。牧野市長は、この100メガネをかけて、割と色々なところに露出しているらしい