台湾Synology(シノロジー)は7月6日、プレミアム無線LANルータ「Synology RT2600ac(以下、RT2600ac)」の新製品発表会を秋葉原で開催した。7月8日より予約を開始し、7月14日から販売開始の予定だ。価格はオープンで、市場想定価格は税別29,800円。
RT2600acは、Qualcommの1.7GHzデュアルコアプロセッサを搭載し、OSには独自の「SRM(Synology Router Manager)」を採用。IEEE802.11ac wave2に対応し、同時に複数のデバイスを自動的に高速接続できるMU-MIMOにも対応する。スループットは最大2,533Mbps。外部ストレージへの接続に対応し、100台の同時接続が可能だ。
このほか、RT2600acの細かな仕様は別記事「Synology、豊富な機能を備えた11ac wave2対応ルータ「RT2600ac」を国内投入」に詳しいのでそちらを参照してほしい。
発表会は、RT2600acの国内販売がこのタイミングになった事情についての内訳話から始まった。
Synologyは、RT2600acで国内ルータ市場に初参入となる。フィールドレイクを販売代理店として国内販売に向けて動いていたが、いわゆる技適マークの認可が6月末に急遽降りたことを受け、夏の商戦に間に合わせるために大急ぎでの発表と販売となったという。そのため、製品の日本語化やWebサイトの準備などは前もって進めていたものの、アタッチメントなどの販売予定や、販売施策など一部は未定のままとなっている。
Synologyの国内スタッフの紹介後、壇上に立ったのはフィールドレイクの倉石氏で、プレミアム無線LANルータ市場が国内外で注目されている背景や、プレミアム無線LANルータに求められる機能、RT2600acの特長などをプレゼンした。
左からSynologyのSales Account Manager 何 宇軒(Willie He)氏、Sales Specialist 田野久敏氏、Marketing/Marketing Specialist 宋 宜倫(Tracy Sung)氏。Willie氏とTracy氏は日本を担当する |
プレミアム無線LANルータに求められる3つのニーズ
Synologyの調査では、グローバルにおける無線LANルータ市場は平均単価が年率11%で伸びているという。これは200ドル(約22,000円)以上の高価格帯に位置する高性能なプレミアムクラスが伸びているためで、ルータをアクセスポイントとしてだけ利用するのではなく、セキュリティやトラフィックコントロール機能をきっちり使いこなす層が増えてきていることが背景にあると分析する。
一方、国内の無線LANルータ市場に目を向けると販売台数は四半期で70万~80万台、平均単価は高くても6,800円前後で推移している。国内ユーザーの多くが、まだまだ無線LANルータをアクセスポイントとしてしか活用しておらず、Synologyではここにもっとプレミアムクラスの伸び代があるはずだと読む。
では、プレミアム無線LANルータとは具体的にどんなものを指すのか。大きく次の3つのニーズを満たすものだと指摘する。(1)複雑化するアプリケーション、増えるデータ量に対して十分な帯域の確保と接続の維持、(2)端末、利用者の増加に対する、セキュリティの確保、(3)容易なマネージメントだ。Synologyは、RT2600acがこの3つのニーズをすべて高水準で満たすとアピールする。