TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2は、前機種と同じくLD(Low Dispersion:異常低分散)レンズ3枚を使用。軸上色収差と倍率色収差を見事なまでに排除している。また、eBANDコーティングのおかげでゴーストやフレアの発生もほぼ認められず、クリアで抜けの良い画質を実現していると思う。

1/1250秒 f/9 600mm ISO250(トリミング)
クリスチャン・ボルトン選手のエッジ540 V2。仕方がないとはいえ、霞によるコントラストの低下は、やはり気になる。実際の撮影では補正したいところ

日中の日差しによって海水が蒸発してできる空気の層、エアレーサーの機体から噴射されるスモーク、逆光といった条件に悩まされた今回の撮影。それでも、実際の撮影結果では遠景から捉えた小さな被写体にもしっかりとピントが来ており、本レンズの高い解像力に驚かされた。

風景の中の小さな被写体は、背景の一部であるかのような描写となってしまいがちだ。が、TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2は「小さく写っていようが主役は主役!」と表現してくれる。それには、カメラ本体の性能も寄与しているだろう。しかし、フィルター径φ95mmの前玉を持つ工学設計は、決して伊達ではない。

1/800秒 f/10 400mm ISO250
ブライトリング主催によるワールドツアーイベント中のダグラスDC-3が会場上空を飛行。その姿は優雅のひとこと

【写真12】1/1600秒 f/8 400mm ISO400
レーストラックを見ながら旋回するダグラスDC-3。被写体は小さいが、線もトーンも精細に描写されている