上位モデルの売れ行きは大手が動くバロメーター

スマートフォン市場の動向を占う上で、注目したいのは、「P10」「P10 Plus」のような高価格帯の売れ行きだ。売れ行き次第で、大手キャリアも何らかの動きを見せる予感もするからだ。

5月、NTTドコモは「docomo with」という料金プランを発表した。これは「arrows Be」と「Galaxy Feel」のいずれかを定価購入することで、毎月1,500円の割引きが永遠に受けられるというものだ。前者は税込28,512円、後者は税込36,288円での販売となる。

docomo withは指定端末を定価購入することで毎月1,500円の割引きが永遠に受けられる仕組み

気にすべきはこの価格帯。2つの端末の価格は、SIMフリースマホ市場の普及価格帯と一致する。つまり、ドコモとしては、MVNOへの顧客流出を対策を打ち出したことになる。

ドコモ自身はそもそも10万円もするような高価格なスマホを定価で買ってもらうには、心理的な抵抗が大きい(今まで実質ゼロ円になるような割引があったため)とし、2万円から3万円台の端末が対象になったと説明する。MVNO対策ではないと強調もしている。とはいえ、結果的にはMVNO対策と見ることは十分に可能だ。

呉氏が語るように、SIMフリースマホの高価格化が進んでいくならば、中長期的には、こうしたMVNO対策と思われる施策において、対応端末の価格の上限アップといった変化も生じることも予測される。ファーウェイの上位モデルもしくはそれに類似した価格帯のSIMフリースマホの売れ行きは、大手キャリアの動向を察知する上でのバロメーターになりそうだ。