住友化学とBASFはこのたび、農業用の新規殺菌剤の開発において協力関係を構築することに合意したことを発表した。

両社は、住友化学が発明した新しい化合物を有効成分とする新たな殺菌剤の開発に取り組む。この化合物は、既存の殺菌剤に抵抗性を持つものを含む、主要な植物病害に高い効果を示すという。また、現状では有効な薬剤の選択肢が限られている作物に対して、安定した収穫量を確保するための新たな手段として期待される。

また、両社はこの新たな化合物を両社独自に製剤化して自社の製品ポートフォリオを補完し、それぞれ世界に展開していく考えだ。なお、これらの販売は、各国において2018年以降に申請する農薬登録および関連当局の承認取得後に開始される予定。

なお、住友化学の代表取締役専務執行役員・西本麗氏は、ドイツで開催された調印式において「BASFと協力することで、深刻な植物病害への抵抗性の管理に重要な役割を果たす新規殺菌剤の利用機会を、より多くの農業生産者に提供できると考えています。そして、この協力関係を通じて、持続的な農業に貢献できると確信しています」と述べた。

一方、BASFの農薬事業本部プレジデントであるマルクス・ヘルド氏は、「農業生産者は、食糧や繊維の需要拡大に対応するために、健康に育った作物を安定して供給したいと望んでいます。今回のBASFと住友化学の戦略的な協力関係は、農家にとって有益なソリューションに投資していくという両社のコミットメントを示すものです」とコメントした。