前述のiPhoneと別のデバイスの使い分けという可能性以外に、今回の顧客満足度調査から得られる示唆について考えてみよう。

ユーザーは、大画面化にすぐさま反応し、iPhone 6による爆発的な売上増をもたらした。しかし現在米国のユーザーは、大画面のスマートフォンに慣れてしまったのか、結果として大型のスマートフォンはiPhone SE以上の満足度を得られていない。

GALAXY S8

この状況を打破するための策として考えられるのは、コンパクトさと大画面の両立である。余計なスペースを排除して画面を端末のフチ、ギリギリまで配置することによって、画面サイズは拡大するが、端末サイズは変わらない、というデザインを実現するのだ。これは、Samsung GALAXY S8シリーズで実現したベゼルを最小化するデザインであり、今秋、登場するという噂のiPhone 8でも採用が期待されている。

実は、Appleは似たようなことを、Macで既に実践している。

MacBook Proはこれまでの13インチ、15インチという画面サイズを踏襲しているが、2016年10月に発売した新モデルでは、デバイスの小型化を図っている。ディスプレイのフチを極力削ることで面積を小さくしたのだ。

スマートフォンでも同じようなことが起こるのは当然であると言えるだろう。前述のGALAXY S8は、この方法論に乗ったものであると考えられる。こうしたデザインの採用により、端末サイズを変えずに画面サイズを大きくすることができるからだ。

iPhone 8にも、有機ELディスプレイの採用で、端末サイズいっぱいのディスプレイが搭載されることが予測されている。例えば、iPhone 7のサイズを変えなくても5インチクラスのディスプレイを採用することができ、iPhone 7 Plusなら5.8~6インチクラスが入ると見られる。